経営者であった父をみて
幼い頃はやんちゃな性格で、小中高とサッカーに打ち込んでいました。高校時代はとにかく遊んでいて、分厚い教科書を全て丸写ししないと卒業できないような学生でしたね(笑)。学生時代に学級委員長や部活の部長の経験もありませんでしたが、私の父親がコンサルタント業の経営者だったこともあり、私自身もいずれは社長をやるのかもしれないと思ってはいました。その一方で、コンサルタントは父親の顔で成り立つ仕事でもあるので、引き継ぐという考えはありませんでしたね。
人をまとめる経験
反抗期ということもあって、高校三年生の時に家出をしました。その時にご縁があり、ラーメン屋の店長に拾っていただいて、当時18歳で店長を任せていただきました。人の上に立つ経験もしたことがなく周りは年上の人ばかりでしたが、やってほしいことは伝えなければいけない状況の中、年上の人との接し方を学ぶことができましたね。全て自分で決めたことなので、学生時代の後悔は全くありません。
経営者としての使命感
4年間という期限付きで、会社を始めました。その時二人目の子どもが生まれたばかりだったこともあり、家族からの心配や反対の声があったため、期限の中で形にならなければ、やめるぐらいの想いで事業を始めました。始めの1、2年はお金も時間も何もかもなくて、しんどかったですね。しかし、自分でやると決めたからにはやるしかないという想いで、ここまでやってくることができました。
私自身が経営者となってからは、やりがいを超えて、責任感の上の使命感を感じています。一緒に働いてくれる従業員たちの生活を背負っていることを常に忘れないようにしています。だからといって、プレッシャーを強く感じすぎてしまっているわけでもありません。私自身がやりたいことを続けているだけですから。
従業員とのお酒の場を大切に
本社は長野市にありますが、松本市にも事業所があるほか、上田市や伊那市など、長野県内の様々な地域で従業員が働いています。なかなか会う機会がありませんので、彼らと顔を合わせた時には、お酒を飲みに行くようにしています。一対一だと言いにくいことがあっても、お酒の場でしか言えないようなことを聞くことができるからです。
また、管理者に対しては、管理者自身が辞めた時、他の従業員皆が辞めるぐらいの人でありなさいと伝えています。自分も含めて上に立つ者にとって、人間力が大切であると考えているからです。従業員とのコミュニケーションを大切にし、彼らの悩みに一つ一つ向き合ってあげられる、そんな力を持つべきであると考えています。
社名に込められた想い
社名であるKGSのGは、グローバルの頭文字で、運送業にとどまらず多様な7つの業種に挑戦していきたいという想いが込められています。現在、運送業に加えてリフォーム業や飲食業も始めていますが、どれか一つ上手くいかなくなってしまったら、社員の生活を守ることが難しくなってしまいます。様々な部門を持っていれば、方向性を変えることができると考えたからです。7という数字は、セブンポケッツ=7つの収入源を持ちましょうという有名な言葉からきています。加えて、KGSという社名を聞いた時に何を行っている会社なのだろう?と、運送業にとどまらず様々な事業を行っている会社だと興味を持ってくださるきっかけになればとも思い、この社名にしました。
未来ある若者の受け入れ先に
今後やってみたいことは、まちの電気屋さんです。電池届けて!だったり、電球が切れたから助けて!でもなんでも、おじいちゃんおばあちゃんに呼ばれたら、すぐに駆け付けられるような、そんな電気屋さんをやってみたいですね。
また現在、求人にも力入れていて、特に児童養護施設を出た子たちや引きこもりの子たちの受け入れ先として立候補をしています。児童養護施設の子たちは18歳までしか施設にいることができません。業務は必ず二人一組で行うため、絶対に一人にさせることはないため、従業員が一対一で関わることで飽きずに済むだけでなく、心を開きやすいと考えたからです。私自身が若い時に、大人の方々に良くしていただいた経験があるからこそ、恩返しの意味も込めて、若い子たちに働く場を提供していけたらいいなと考えています。
自分でやると決めたことはやりきるしかない
やりがいを超えた使命感で、従業員とともに成長を続けていく