2023年の長野県企業年収ランキングを、公開されている有価証券報告書をもとに調査し、トップ10社を特集します。
このランキングで驚くべき1位を獲得したのは「日置電機株式会社」で、年収はなんと980万円。続く20位の「セイコーエプソン」の年収は762万円となり、1位との差は驚異の200万円以上となっています。
さらに、長野県内のトップ企業に共通するのは、700万円以上の高年収を提供する企業が目立つこと。長野県のビジネスシーンにおいて、どの企業が高い給与を提供しているのか、詳しく見てみましょう。
1位 日置電機 平均年収980万円
日置電機株式会社(Hioki E.E. Corporation)は、主に計測器の製造・販売を行う日本の企業です。
- 設立年:1935年
- 本社所在地:長野県上田市
- 主要製品:
- 電力品質アナライザ
- インスペクションカメラ
- オシロスコープ
- ロガー
- クランプメータ
- 絶縁抵抗計
- その他の電子計測器具など
- 事業の特徴:
- 産業用や研究・開発用の高精度計測器の開発・製造を主に行っています。
- 独自の技術と革新的な製品で、国内外の多くの顧客から高い評価を受けています。
- 教育・トレーニングやアフターサービスも提供しており、顧客との強固な関係を築いています。
- 国際展開:
- 主に日本国内でのビジネスが中心ですが、世界各地に拠点を持ち、国際的にも活動しています。
2位 セイコーエプソン 平均年収767万円
セイコーエプソン(Seiko Epson Corporation、通常は「Epson」として知られる)は、日本の多国籍企業で、主にプリンター、プロジェクター、腕時計、そして他のエレクトロニクス製品の製造・販売を手がけています。以下に、セイコーエプソンに関する基本情報をまとめています。
- 設立年:1942年
- 本社所在地:長野県諏訪市
- 主要製品と事業:
- 情報関連製品:インクジェットプリンター、プロジェクター、スキャナーなど。
- ウォッチ関連製品:セイコーの腕時計やクォーツオシレータなど。
- デバイス&プレシジョン製品:クリスタルデバイス、センサー、半導体、ARメガネなど。
- 事業の特徴:
- インクジェットプリンターの分野では、特に家庭用やオフィス用の高品質プリンターとして世界的に高い評価を受けています。
- 超短焦点や高輝度のプロジェクターも、世界的に高いシェアを持っています。
- 「セイコー」のブランドで時計を製造・販売しており、高品質で知られる一方で、技術的な革新も進めています。
- 歴史:
- セイコーエプソンは、1968年の東京オリンピックで時計として使用されたセイコー製クォーツ時計の開発に関わった経歴も持っています。
- 1975年には、世界初のデジタル腕時計を開発しました。
- 国際展開:
- グローバルな展開を持ち、多くの国々で製品を製造・販売しています。
このように、セイコーエプソンは多岐にわたる製品と技術を持つ企業であり、特にプリンターや時計の分野での実績と技術力は非常に高い評価を受けています。
3位 新光電気工業 平均年収761万円
新光電気工業株式会社(Shinko Electric Industries Co., Ltd.)は、日本の半導体パッケージ製品の製造メーカーの一つです。以下、新光電気工業に関する基本情報を概観します。
- 事業内容:
- 主に半導体パッケージとしてのIC (Integrated Circuit) ソケットや電子部品の製造、販売を行っています。
- これらの製品は、スマートフォン、コンピュータ、その他の電子機器に使用される半導体チップを保護したり、マウントする際の基盤としての役割を果たします。
- 歴史:
- 1946年に創業。当初は時計部品の製造からスタートしましたが、その後電子部品の製造へとシフトして事業を拡大してきました。
- 所在地:
- 本社は長野県長野市に位置しています。
- グローバル展開:
- 日本国内のみならず、海外にも生産拠点や営業所を持っており、グローバルに展開しています。
- 特徴:
- 長年にわたる技術の蓄積や経験を背景に、高い品質と信頼性を持つ製品を提供しています。
新光電気工業は、半導体産業における重要なサプライヤーとして、技術の進歩や市場のニーズに応じた製品の開発を続けています。
4位 キッセイ薬品 平均年収748万円
キッセイ薬品工業株式会社(Kissei Pharmaceutical Co., Ltd.)は、日本の製薬会社の一つです。以下、キッセイ薬品に関する基本情報を概観します。
- 事業内容:
- 主に処方箋医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。
- 治療領域としては、腎臓・透析、内分泌・代謝、泌尿器・婦人科、脳神経、アレルギー・感染症など多岐にわたります。
- 歴史:
- 1946年、長野県松本市で創業。以来、多くの医薬品の研究開発や販売を手掛けてきました。
- 所在地:
- 本社は長野県松本市に位置しています。
- 研究開発:
- 常に患者のための新しい治療法の開発を追求しており、そのための研究開発に注力しています。新たな医薬品の発見や、既存医薬品の新しい応用の探求を行っています。
- 国際展開:
- グローバルな展開を目指し、海外での事業や提携、連携を積極的に進めています。
キッセイ薬品は、患者のQOL(生活の質)の向上を目指して、高品質な医薬品の提供を続けています。社会に貢献するとともに、持続的な成長を目指して事業活動を行っています。
5位 北野建設 平均年収720万円
北野建設株式会社は、東京証券取引所上場の中堅総合建設会社で、高品質なものづくりを追求しています。1946年に設立され、現在の資本金は91億1649万円。本社は長野県長野市にあり、東京にも本社を構えています。代表取締役会長兼社長は北野貴裕氏。従業員数は560名。事業内容としては、国内外の建設工事、地域・都市・リゾート開発、再生可能エネルギー事業、ホテルや劇場、スポーツ施設の経営などが挙げられます。
6位 ヤマウラ 平均年収719万円
株式会社ヤマウラは、長野県駒ヶ根市を拠点とする建設会社です。起源は鉄工所で、現在もエンジニアリング事業の一環として大型機械装置や電気制御システムの製作を手掛けています。また、ドライブインの運営も行っています。主力としての建設業では、工場の大型建築から一般住宅まで取り扱っており、賃貸マンションブランド「ブレインマンション」のフランチャイズ展開も行っています。設立は1920年で、当初は山浦鉄工所としてスタート。その後、名称変更や証券取引所への上場、ISOやOHSASの取得など、多くの歴史的な変遷を経て現在に至っています。
7位 日精エー・エス・ビー機械 平均年収716年
日精エー・エス・ビー機械株式会社は、長野県小諸市に本社を構えるペットボトル成形の射出成形機・ブロー成形機メーカー。主に二軸延伸ブロー成形機や容器製造用金型、ホットランナーの販売を行い、JPX日経中小型株指数の構成銘柄にも名を連ねる。1978年に設立し、以降アメリカやドイツ、シンガポールなどに販売拠点を展開。1990年にジャスダックに上場、2012年に東京証券取引所2部、翌年に1部に上場。近年では2018年に長野県佐久市に新工場を開設している。
8位 ミネベアミツミ 713万円
ミネベアミツミ株式会社は、長野県北佐久郡御代田町に本社を置き、ベアリングやモーターなどの電気部品を製造するメーカー。終戦後、満州から帰国した技術者により設立。小径ボールベアリングで世界首位のシェアを持ち、NMBとしても知られる。主な生産拠点はタイや中国。日経平均株価やJPX日経インデックス400の構成銘柄。M&Aや拳銃の開発・製造も手がける。沿革として、1951年設立、1961年に東京証券取引所に上場。1970年代には国外進出を強化。1981年に商号変更。2010年代には業務の再編やM&Aを積極的に行い、2017年にミネベアミツミとして経営統合。最近の動向として、2022年に本多通信工業を子会社化、2023年にホンダロックを取得し、企業CMの放映を開始した。
9位 電算 691万円
株式会社電算は長野県長野市に本社を持つシステムインテグレーターで、行政向けシステムを専門とする。avisインターネットサービスのプロバイダ業務も手がけ、信越放送の関連会社として経済産業省に登録されている。1966年に設立し、1969年に社名を電算に変更。東京証券取引所には2010年に2部上場し、2013年に1部へ指定替え。2017年にはティー・エム・アール・システムズを子会社化した。
10位 綿半ホールディングス 669万円
綿半ホールディングス株式会社(Watahan & Co., Ltd.)
- 所在地: 本社 – 東京都新宿区、登記上本店 – 長野県飯田市。
- 概要: 1598年に綿屋として創業。名前の由来は代々の当主「綿屋半三郎」。事業は小売、建設、貿易分野。ホームセンター事業を展開する綿半ホームエイドなどが子会社。
- 主な歴史:
- 1598年: 綿屋として信濃国飯田城下に創業。
- 明治初期: 金物店に転換。
- 1957年: 保険代理店事業に進出。
- 1958年: 本社を東京都新宿区に移転。
- 1977年: 綿半ホームエイド設立、ホームセンター事業開始。
- 2003年: 持株会社への転換、綿半ホールディングス株式会社に商号変更。
- 2014年: 東京証券取引所第二部に上場。
- 2015年: 東京証券取引所第一部に昇格。
11位 八十二銀行 649万円
株式会社八十二銀行は、長野県長野市を拠点とする地方銀行で、長野県内や関東、新潟、東海、関西、香港に支店がある。さらに、上海、シンガポール、バンコクに駐在員事務所を構えている。財務状態が良好で、有力な地方銀行として認知されている。多くの地域が同行を指定金融機関としており、信用格付けも高い。2022年、長野銀行との経営統合を発表。2023年に経営統合し、2025年を目処に完全合併を予定しており、新名称が検討されている。
12位 マルイチ産商 626万円
株式会社マルイチ産商は、水産物を中心に食料品の卸売を行う名古屋証券取引所上場企業。1927年、長野県長野市で魚屋として創業し、1970年代には食品の加工や卸売を多角的に展開。1986年に現社名に変更し、長野県外にも進出。特に長野県において強いシェアを持ち、近年では千葉県銚子市の信田缶詰株式会社や、長野県の食品卸売業・株式会社丸水長野県水を子会社化している。
13位 守谷商会 626万円
株式会社守谷商会は、長野県長野市に本社を持つ建設業者。1916年の創業以来、業務エリアとして長野県や新潟県上越地方を中心に展開。1963年に松本、1966年に東京に支店を開設。1994年にはJASDAQでの株式公開を果たす。
14位 ミマキエンジニアリング 619万円
株式会社ミマキエンジニアリングは、長野県東御市を拠点にコンピュータ周辺機器の製造販売を行う企業。1975年設立以降、大判インクジェットプリンターやカッティングプロッターなどの産業用機器を主力に製造販売している。経営ビジョンとしては、独自技術を持ち、世界へ自社ブランド製品を供給する「開発型企業」を目指し、顧客満足とイノベーションに重点を置いている。
15位 竹内製作所 601万円
16位 サンコー 576万円
株式会社サンコーは、長野県塩尻市に本社を持つ金型の機構部品製造・ユニット組立メーカー。1963年に長野県岡谷市で設立。1988年に塩尻市に本社を移転し、1999年に東京証券取引所2部に上場。2011年にはタイ王国に子会社を設立。主な生産拠点は長野県内に数か所、福岡県久留米市にもあり。営業拠点は塩尻市、愛知県安城市、福岡県久留米市に存在。
17位 長野銀行 565万円
株式会社長野銀行、通称「長銀」は、長野県松本市を拠点とする第二地方銀行。主要取引先は個人や中小企業で、東京都千代田区に東京支店がある。コーポレートシンボルは、Nの頭文字を中心とした二つの楕円で、「地域と銀行」「人と銀行」の融合を示す。コーポレートステイトメントは地域の発展を強調。2015年には長野支店を「長野営業部」として統合。2022年に八十二銀行との経営統合が決定、2023年に完全子会社として経営統合が進行し、2025年度に両行が合併予定。合併後の銀行名は変更される見通し。
18位 日精樹脂工業 563万円
19位 タカノ 562万円
タカノ株式会社は長野県上伊那郡宮田村に本社を持ち、オフィス家具、外構・エクステリア、エレクトロニクス関連、健康福祉機器の開発・販売を手がける企業。1941年創業、コクヨが筆頭株主。1941年に鷹野製作所としてスタートし、1953年に株式会社化。1973年にタカノ株式会社に社名変更。1995年に店頭公開、2004年に東京証券取引所1部に上場。
20位 双信電機 562万円
双信電機株式会社は、東京都港区に本社、長野県佐久市に本店を持ち、電子部品(フィルター、コンデンサ)の開発・販売を行う。1938年に双信電機製作所として創業。1944年に法人化し、1989年に店頭公開。2000年に東京証券取引所2部、2002年に1部上場。2009年には子会社の高信エレクトロニクス株式会社と統合し、商号を双信デバイスに変更。2021年、釜屋電機株式会社による買収で、日本碍子の子会社ではなくなる。