会社ロゴの由来と、ゼロから始めた清掃事業の原点

ホワイトウイングのロゴは「W2」。このロゴには、2人以上の力を合わせて挑戦していくという想いと、夢や可能性が無限に広がっていくようにという願いが込められています。創業は大学の後輩と2人。そこから数字の「2」がロゴに入りました。ロゴが先に決まり、そこから社名を考案。清掃のイメージから「ホワイト」、飛躍を意味する「ウイング」を合わせて「ホワイトウイング」と名付けました。2人とも綺麗好きだったこともあり、清掃業を始めましたが、当初は知識も経験もゼロ。ビデオを参考に機材を購入し、試行錯誤しながらのスタートでした。毎日自転車で市内を営業して回り、人脈も実力もない中での挑戦。今振り返ると、準備の大切さを痛感しています。
清掃の喜びと人材定着に挑み続けた10年の歩み

私たちの清掃の仕事は、目に見える成果がすべてです。だからこそ、お客様から「見違えたね」「本当にきれいになった」といった言葉をいただくことが、何よりのやりがいです。お客様の笑顔や感謝の声、満足していただくことが、私たちにとって最大の喜びです。そのために常に「お客様は何を求めているのか」を考え、お客様の目線に立って行動することを大切にしています。単に作業をこなすだけでは、本当の満足にはつながらないと考えています。
一方で、人手の確保には長年苦労してきました。創業当初は2人だけで始め、やがて業務拡大とともに人を雇う必要が出てきました。求人誌を活用して中途採用を行ってきましたが、人がなかなか定着せず、「この時間にこの人数で行きます」とお客様に約束できないこともありました。そうした課題に向き合う中で、約10年前からは毎年1名ずつ新卒採用を目指す方針を立てました。採用人数にばらつきはあるものの、今年は初めて女性社員が入社し、新たな一歩を踏み出しています。
清掃業を一生の仕事として選んでほしい

常に挑戦の連続ですが、私たちは清掃業を通じて「どう人を育てていくか」という課題に日々向き合っています。清掃という仕事は、決して人気のある職種とは言えず、昔から「他に選択肢がなかったから」と入社してくる方も少なくありません。だからこそ、そうした人たちにこの仕事を一生の生業として選んでもらいたいという強い想いがあります。個々の持つ良さをどう活かすか、どうすればやる気やモチベーションを引き出せるか。清掃は人が提供するサービスであり、人材の育成がその品質を大きく左右します。だからこそ、社員一人ひとりの育成に力を注いでいます。そして最終的には、お客様に心から満足していただき、それが業績の向上へとつながっていくことを目指しています。
地域に寄り添ったしろはねやの挑戦

現在は休止していますが、コロナ禍の時期に「しろはねや」という個人向けの清掃サービスを立ち上げていました。コロナの影響で業務が減少したことを受け、社内で話し合いを重ねた結果、企業や公共施設、病院などの大規模清掃を得意としてきたホワイトウイングとして、個人のお客様にも何かできないかと考えたのがきっかけです。ただ、すでに個人向けの清掃会社は多数存在していたため、私たちの強みを活かせるサービスとして「窓ガラス専門」に特化することにしました。特に高所の窓清掃は、自分ではなかなか手が届かず困っている方も多く、私たちが得意とするビル清掃の技術を活かせる分野でもあります。
個人向け展開にあたり、屋号も新たに「しろはねや」と名付けました。ホワイトウイングの「白い羽」から連想し、親しみやすい名前にしました。コロナ収束後、本業の再開や人手の関係で現在はサービスを休止していますが、以前「物を捨てたいので手伝ってほしい」という依頼で、お客様と一緒に荷物の片付けをしたこともあります。ただ清掃をするだけでなく、地域の方々の役に立てる存在でありたいという想いがあります。「もうやめちゃったの?」と声をかけていただけた時には、地域の方に覚えていただけていたことが何より嬉しく、今後も何らかの形で貢献していけたらと考えています。
多様な人が輝ける居場所づくり

実はコロナ禍の時期に通信制の大学に編入し、心理学を学びました。引きこもりや発達障害といったテーマに関心があり、専門的な知識を身につけたいと思ったからです。清掃の仕事は、年齢や性別、国籍を問わず、さまざまな人を受け入れられる懐の深い仕事です。だからこそ、精神的に困難を抱えている人たちにも光をあてられるような職場をつくりたいという想いがあります。実際に、かつて引きこもりだった方を採用したこともあります。結果的には長く働き続けることはできませんでしたが、それでも一度離れてもまた戻ってこられるような、支え合える場所でありたいと考えています。清掃業の現場だからこそ、多様な人々が安心して挑戦できる可能性があると信じています。
若者へのメッセージ―掃除は運を呼ぶ

学生時代は、勉強、アルバイト、遊びなど何でもチャレンジしてみると良いと思います。どんな経験も決して無駄ではなく、興味があることには積極的に挑戦することが大切です。アルバイトを通じてさまざまな人と出会い、時には叱られることもあるかもしれませんが、そのすべてが自分の成長につながると実感しています。また、私は自宅で「清掃係」をしていて、毎週日曜日には徹底的に掃除をするようにしています。中でも特に意識しているのが水回りの掃除です。水回りをきれいにすると、自然と気持ちが整い、幸運が舞い込んでくるように感じています。ぜひ皆さんも、掃除をただの作業ととらえず、運気を上げる実践として楽しんでみてください。
清掃業をゼロから始め、心理学も学び人を育てる場に
お客様の笑顔と地域の幸せのために、挑戦を続ける