長野市などでラーメン店を展開

民間の信用調査会社・帝国データバンクによると、長野市や須坂市でラーメン店を運営していた飲食店運営会社「栄峰」が、2024年1月8日付で長野地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けたことが分かりました。
1.会社概要
- 設立:1993(平成5)年
- 事業内容:フランチャイズチェーンに加盟し、ラーメン店を長野市・須坂市で展開
- 最盛期:一時は6店舗程度を運営
- 売上高:2009(平成21)年5月期には約2億8000万円を計上
地元を中心に安定した売り上げを維持していましたが、環境の変化が経営を直撃しました。
2.破産手続き開始の背景
- 新型コロナウイルスの影響
来店客数の大幅な減少によって、売り上げが急落。 - 原材料費の高騰
食材コストが上昇し、利益率が下がる。
これらの要因により、収益が悪化。2024(令和6)年には長野市の1店舗を閉鎖し、残る2店舗(長野市・須坂市)での再建を目指していました。
3.過年度設備投資の重圧と譲渡
過去に行った設備投資の負担が重く、資金繰りが深刻化。このため、2024年8月には事業を別会社に譲渡して「栄峰」としての営業を停止しました。
負債総額は約1億2000万円と見られています。
4.今後の展開と対策
- 譲渡先企業で店舗運営継続
「栄峰」が運営していた店舗は、譲渡先の別会社が引き継ぎ、営業を続けています。 - 教訓:リスク管理と投資判断
新型コロナウイルスによる売り上げ減やコスト高騰といった経営環境の変化に加え、過去の設備投資負担が重くのしかかったことが今回の経営破綻の要因といえます。
中小企業が安定的に経営を続けるためには、景気変動への迅速な対応や、長期的な投資計画の見直しが欠かせません。
まとめ
長野市などでラーメン店を展開していた「栄峰」は、新型コロナによる売り上げ減少と原材料の高騰に加え、過去の設備投資による資金圧迫が原因で破産手続き開始に至りました。店舗は譲渡先により継続されるものの、今回の件はコロナ禍やコスト上昇へのリスク管理の重要性を改めて浮き彫りにしています。
負債総額:約1億2000万円
破産手続き開始日:2024年1月8日(長野地方裁判所)
今後、経営戦略の見直しや、設備投資を含む資金繰りの慎重な検討が、中小企業にとって一層必要となるでしょう。