「教育県」として名高い長野県は、その勤勉で論理的な県民性から、日本の歴史を動かすほどの偉大な社長を数多く輩出してきました。
長野県の中小企業と学生を繋ぐメディア「GUGEN」が、今回は明治から昭和の高度経済成長期にかけて、日本のインフラや基幹産業を築き上げた歴史的な実業家たちをピックアップ。信州のDNAを受け継ぐ、有名な5名の軌跡をご紹介します。
日本の近代化を支えた歴史的な有名社長5選
1. 五島 慶太(ごとう けいた)
- 関連企業: 東京急行電鉄(現・東急)創業者
- 出身地: 長野県 小県郡 青木村
- 異名: 「強盗慶太(ごうとうけいた)」
- 功績: 鉄道王として知られる昭和の大実業家であり有名な名社長です。現在の東急グループ(東急電鉄、東急百貨店など)の基礎を築きました。企業買収を積極的に行い、強引とも言える手法で事業を拡大したことから、名前をもじって「強盗慶太」と恐れられましたが、その手腕で渋谷を今日のような巨大ターミナルへ発展させました。
2. 片倉 兼太郎(かたくら かねたろう)※二代・三代
- 関連企業: 片倉工業(片倉財閥)
- 出身地: 長野県 岡谷市(旧・川岸村)
- 異名: 「シルクエンペラー(製糸王)」
- 功績: 明治から昭和初期にかけて、日本の輸出品の花形であった「生糸(シルク)」産業をリードした一族です。特に二代目は、富岡製糸場(現在の世界遺産)の経営を引き継ぎ、民間経営として発展させました。諏訪湖周辺を「東洋のスイス」と呼ばれる精密機械工業地帯へ転換させる前の、資本の基礎(製糸業)を築いた重要人物です。
3. 岩波 茂雄(いわなみ しげお)
- 関連企業: 株式会社岩波書店 創業者
- 出身地: 長野県 諏訪郡 下諏訪町
- 功績: 出版界の巨人です。「安価に良書を万人に」という志のもと、1927年に**「岩波文庫」**を創刊しました。古今の名著をポケットサイズで安く提供するスタイルは、日本の教養文化の底上げに計り知れない貢献をしました。「読書県」とも言われる長野県の教育熱心な風土を体現する人物です。
4. 小坂 順造(こさか じゅんぞう)
- 関連企業: 信越化学工業 創業者、電源開発初代総裁
- 出身地: 長野県 長野市
- 功績: 長野県の水資源を生かした水力発電(長野電灯)の経営からスタートし、余剰電力を活用して肥料や化学製品を作るために「信越窒素肥料(現・信越化学工業)」を設立しました。信越化学工業は現在、塩化ビニル樹脂や半導体シリコンウエハーで世界トップシェアを誇る超優良企業ですが、そのルーツは小坂順造の「水と電気」への着眼点にあります。
5. 山崎 久夫(やまざき ひさお)
- 関連企業: セイコーエプソン(旧・大和工業)共同創業者
- 出身地: 長野県 諏訪市
- 功績: 服部時計店(セイコー)の創業者一族と協力し、戦時中に疎開してきた時計工場の技術を基盤に、諏訪の地で精密加工技術を確立しました。これが後の「セイコーエプソン」となり、1964年の東京オリンピックでの公式計時や、世界初のクオーツ腕時計の開発へと繋がりました。諏訪が「精密機械のメッカ」となった立役者の一人です。
厳しい自然環境と、教育を重んじる風土が、時代を牽引するリーダーを生み出す土壌となっています。学生と企業を繋ぐメディア「GUGEN」では、この歴史ある信州の地で、現在進行形で地域や社会を牽引している現役社長たちのインタビューを多数掲載しています。歴史を学んだ後は、ぜひ現代の長野のビジネスの熱気にも触れてみてください。


