増収企業は前年比で23社増の76社、減収企業は18社減の23社となった。伸び率が特に大きい企業には機械系製造業が目立ち、特に長野トヨタ自動車が前期比84.1%増の641億8900万円でトップ10に。新型コロナの影響薄れる中、シチズンマシナリーは66.5%増、花村産業は48.5%増を記録した。
1位 セイコーエプソン株式会社
セイコーエプソン株式会社、略称「エプソン(EPSON)」、は長野県諏訪市に本社を構える電機メーカーで、インクジェットプリンター、プロジェクター、PC、スキャナー、電子デバイス部品、産業用ロボットなどの情報関連・精密機器の製造を手掛ける。セイコーグループ中核3社の1つとして、SEIKO腕時計やオリエントブランド時計の開発・生産も行う。
2位 ミネベアミツミ株式会社
ミネベアミツミ株式会社は、ベアリングとモーターの電気部品メーカーで、長野県の御代田町に本社がある。終戦後、旧・満州飛行機製造の技術者によって設立され、ミニチュアボールベアリングの分野で世界トップのシェアを持つ。略称はNMBで、タイ王国での生産が6割を占め、中国などにも拠点がある。
3位 新光電気工業株式会社
新光電気工業株式会社は、長野県長野市に本社を持ち、富士通の連結子会社として半導体用リードフレームやフリップチップパッケージの設計・製造・販売を行っている。また、大手マイクロプロセッサメーカーのインテルのサプライヤーとしても名高い。
4位 株式会社マルイチ産商
株式会社マルイチ産商は、名古屋証券取引所上場の食品卸売企業で、中部・関東地方における市場展開を持ち、長野県でのシェアが特に高い。スーパー向けの水産物から惣菜までの幅広い食品を提供し、メーカー型卸として独自商品の開発も行っており、食品の供給チェーン全体で活動している。
5位 株式会社竹内製作所
株式会社竹内製作所は、長野県埴科郡坂城町に拠点を持つ建設機械メーカー。特にミニショベルとクローラーローダーが有名で、ヨーロッパと北米の市場で高いシェアを有する。この会社はJPX日経中小型株指数の構成銘柄にも選ばれており、ミニショベルの開発は世界初。海外展開では、展示会や見本市を活用して直接アピールし、現地ディストリビューターと提携してサポート。米国での高い品質認識は、同社が海外での圧倒的なシェアを獲得する鍵となった。
6位 株式会社ツルヤ
「株式会社ツルヤ」は、1995年に北信地方、2004年に中信地方、2011年に南信地方と、長野県の全4地域に進出。2020年には、群馬県へと初めての県外進出を果たし、ベイシア本部やパワーモール前橋みなみ近くでの出店が注目された。群馬県のスーパーやドラッグストア市場は競争が激しいため、ツルヤの進出は地元メディアにも取り上げられ、競争激化の要因の一つとして報じられている。
7位 ニデックインスツルメンツ株式会社
ニデックインスツルメンツ株式会社は、ニデックの子会社として、モーターやロボット、オルゴールなどの製造・販売を手掛ける日本の企業。特にオルゴールムーブメントの製造で世界シェア80%を持ち、現在も日本国内での生産を続けている。1957年から1981年にはSankyoブランドで8ミリフィルムカメラも製造。2003年に日本電産の傘下となり、2023年に現在の社名に変更した。
8位 鍋林株式会社
鍋林株式会社(なべりん)は長野県松本市中央に位置する医療用医薬品と医療機器の販売専門企業で、鍋林グループの主要企業である。社名は、金物鋳造業の屋号「鍋屋」から来ており、医療、化成品、食品などの8つの事業部を展開している。
9位 株式会社デリシア
株式会社デリシアは長野県松本市に本社を構え、スーパーマーケット「デリシア」「ユー・パレット」を展開している。神戸物産とモスバーガー、タリーズコーヒーのフランチャイジーとしても活動し、ドラッグストアや調剤薬局の運営も行う完全子会社を持つ。アルピコグループの一環として、キャッチフレーズは「地域に密着した食品スーパー」。長野県内のみに店を構え、62店舗を展開している。
10位 長野トヨタ株式会社
2021年4月1日、新「長野トヨタ自動車」が設立され、「長野トヨペット」「トヨタカローラ長野」「ネッツトヨタ長野」の3社が合併した結果としてスタートした。トヨタ車の販売とメンテナンスを核事業とし、自動車業界の大変革期に応じて新しい販売体制を築く目的で統合された。業界はCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)のトレンドと、MaaSやKINTOのようなサブスクリプション、カーシェアへと移行しており、この流れを捉えている。
11位 株式会社R&Cながの青果
株式会社R&Cながの青果は長野県を拠点にする青果物卸売業者で、2022年に長野県連合青果と(株)長印との合併で設立された。県内各市場での卸売業務を展開し、取扱高で全国の地方卸売市場青果卸売会社で1位を誇る。
12位 株式会社角藤
株式会社角藤(KAKUTO CORPORATION)は、長野県長野市を拠点に活動する専門工事業者である。事業範囲は甲信越、東海、関東、東北、関西地域。主な業務は建築鉄骨の製造、鋼製橋梁の制作、土木・基礎工事、さらに各種建築資材の施工を行っている。また、可動式上屋の設計や土壌汚染対策工事も提供している。
13位 北野建設株式会社
北野建設株式会社は、長野県長野市を拠点とする主要な建設会社(ゼネコン)である。代表的な施工実績には、白馬ジャンプ競技場、美ヶ原高原美術館、軽井沢高原文庫、長野信用金庫本店、ながの東急ライフ、長野赤十字病院、国立相模原病院、イオンモール松本、ハワイポリスステーション、ソロモン諸島国会議事堂、大磯プリンスホテルなどがある。
14位 KOA株式会社
KOA株式会社は、長野県箕輪町を拠点とする電子部品メーカーで、特に抵抗器の分野で世界1位の売上を持つ。東京証券取引所プライム市場に上場し、企業理念として地球環境の調和を重視している。サーミスタ、インダクタ、ヒューズ、バリスタなどの部品も幅広く取り扱い、業界内での高いシェアを有している。
15位 キッセイ薬品工業株式会社
1946年に「橘生化学研究所」として設立された製薬メーカー。泌尿器や腎・透析領域などを主な焦点とし、医療機関向けの医薬品を提供。キャッチフレーズは『明日の健康を見つめる キッセイ薬品』。近年、ヘルスケア事業部を展開し、高齢者や介護対象者向けの「キッセイゆめシリーズ」などの治療用特殊食品も取り扱っている。
16位 シチズンマシナリー株式会社
シチズンマシナリー株式会社は、長野県北佐久郡に本社を構えるCNC旋盤のメーカー。2011年にシチズンマシナリー(初代)とミヤノが合併し、2015年に現商号へと変更。元々はシチズン時計の部門として1970年に“Cincom”を開発。一方、ミヤノはやすり製造から自動盤の製造にシフトし、高度経済成長期に急拡大した。
17位 マルコメ株式会社
マルコメ株式会社は、長野県長野市に本社を持つ味噌を主力とする食品メーカー。1854年創業で、日本の代表的な味噌メーカーの一つ。各地方の多数のメーカーとの競争の中、1982年に「だし入り味噌・料亭の味」を先駆けて発売し、ロングセラー商品として継続している。また、簡単に調理できる商品シリーズも展開している。
18位 ホクト株式会社
ホクト株式会社は、食品包装資材と食用きのこの製造・販売を手がける東京証券取引所上場企業。設立初は食品包装に特化していたが、1968年にポリプロピレン製のきのこ栽培容器を開始。この容器はガラスよりも割れにくいため、きのこ栽培用資材のトップメーカーとなった。1983年にはきのこの総合研究所を設立し、新品種の開発から販売までの一貫事業を展開。2002年からのキャラクター化とCM放映で知名度と売り上げが大幅に伸びた。
19位 株式会社本久
株式会社本久は長野県長野市に本社を構える多角的な事業を展開する企業。主な業務は建設資材の販売、土木・建設工事、道路舗装材の製造・販売・施工、そしてレジャーとホテル事業を手掛けている。
20位 株式会社綿半ホームエイド
株式会社綿半ホームエイドは、長野県長野市に本社を持つホームセンターチェーンを展開する企業。飯田市に外商部を設けている。2005年からは店舗のリニューアルやスーパーセンターへの業態転換を推進し、食品の取り扱いを増やすことで売上を伸ばした。2007年以降は、生鮮食品や惣菜も取り扱っている。