松本市・林友グループが新体制へ 杉山良一氏が新社長に就任、赤羽氏は副会長として新事業へ

掲載日2025.4.3

「また人事のニュースか…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、今回の林友グループのトップ交代は、ただの“交代劇”ではありません!長野県松本市に本社を構える林友ホールディングスが発表したこの人事、木材業界の未来を左右する大きな意味を持っています。人口減少や住宅市場の縮小に悩む今、企業はどう進むべきか——その答えがここにあります。

林友ホールディングス、新社長に杉山良一氏を選任

2025年4月、松本市を拠点とする林友ホールディングスがグループの要である林友株式会社の新社長に杉山良一氏(65)を選任したという発表がありました。これは同社が長年築いてきた経営基盤に大きな転換点を迎える出来事です。

林友ホールディングスの企業概要と地域での役割

林友ホールディングスは、住宅資材の販売を中核に、木材加工やプレカット材の供給など、地域密着型の木材関連事業を多角的に展開しています。特に松本市を中心に、安曇野市や長野市にも関連会社を持ち、長野県内の木材インフラを支える存在です。

その役割は単なる「建材の供給者」にとどまりません。地場産業の活性化に貢献し、地域雇用を守るという重要なミッションを担っています。「地域とともに成長する企業」として、多くの信頼を集めてきました。

新社長・杉山良一氏のプロフィールと実績

今回新たに社長に就任する杉山氏は、中央大学卒業後、1983年に八十二銀行へ入行。金融の現場で長年培ったマネジメントスキルを武器に、2018年に林友に加わり、2021年からは常務総務部長として社内の統制や人材育成に取り組んできました。

「社員の声を聞き、現場を理解する経営者」として知られ、地道ながらも着実に信頼を集めてきた人物です。杉山氏の登場により、林友グループは内外に対して「経営の安定と革新の両立」を強くアピールする形となりました。

木材需要の変化と林友の新たなビジネス展開

かつては右肩上がりだった住宅建設市場ですが、今は風向きが大きく変わりつつあります。人口減少と世帯数の減少により、住宅資材の需要が全国的に頭打ちとなっているのが現状です。林友グループも例外ではなく、こうした市場変化にどう対応するかが問われています。

個人住宅市場の減速と木材業界の現状

2020年代に入り、日本全国で新築戸建ての着工件数は減少傾向にあります。これは少子高齢化の進行や空き家の増加、さらには若年層の所得減少など複数の要因が絡んでいるためです。林友が主に取り扱う住宅資材も、こうした背景の中で従来の販売戦略だけでは通用しなくなってきました。

木材業界全体でも、これまでのように「住宅用建材」としての一辺倒な需要には限界が見え始めています。つまり、「住宅以外」に視点を向けなければ、今後の成長は見込めないというわけです。

林友の新事業戦略:非住宅分野での木材活用とは?

そこで注目されているのが、非住宅分野への木材の展開です。公共施設、学校、福祉施設、さらにはオフィスや商業施設など、多様な建築物で木材を活用する動きが全国的に加速しています。こうしたトレンドに乗り、林友は新たな事業として「住宅以外での木材活用」を本格的に進めていく方針です。

加えて、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも木材の利用は注目されています。再生可能な資源である木材を用いることは、環境負荷を軽減し、カーボンニュートラルな社会の実現に寄与することにもつながります。これらの文脈において、林友の新事業戦略は非常にタイムリーかつ社会的意義の高い取り組みといえるでしょう。

グループ会社との連携強化で経営体制を盤石に

新社長・杉山良一氏のもとで林友グループが掲げるもう一つの柱。それは、グループ会社との連携を深め、グループ全体としての「経営の一体化」を図ることです。すでに明らかになっているように、杉山氏は林友ハウス工業とアスカ木材にも役職を持ち、グループ全体の舵取り役を担うことになります。

林友ハウス工業・アスカ木材との関係性

林友ハウス工業(安曇野市)は、木材の加工・販売を主力とする企業であり、住宅用のプレカット材を製造・供給するアスカ木材(長野市)とは密接な関係にあります。これら2社は林友の完全子会社でありながら、長年にわたり個別に事業を展開してきました。

今回の人事で杉山氏が各社の経営にも関与することで、調達・加工・販売のプロセスがより密接に連携し、効率化と品質管理の強化が期待されます。グループ間での情報共有や資源の最適配分が可能になることで、経営基盤のさらなる強化につながるのです。

グループ全体での人材確保と働きやすい職場づくり

杉山氏が繰り返し強調しているのが「社員の幸せなくして、顧客の幸せはない」という価値観です。これは単なる理想論ではなく、実際に人材不足が深刻化している今、現場の声を聞き、職場環境の改善を進めることが喫緊の課題となっています。

林友グループでは、柔軟な勤務体制や資格取得支援制度、若手社員の育成にも注力しています。特に建築・木材業界では珍しい“ホワイトな職場”づくりを目指す動きは、就職・転職を考える人たちからも注目を集めそうです。

林友グループの未来と地域への影響

林友グループの新体制は、単に社長が代わるというだけではなく、「地域に根差しながら時代に合わせた変化を遂げる企業」へと大きく舵を切る一歩です。ここでは、ユーザーが思い描く理想の未来、そして懸念するリスクについても触れていきます。

ユーザーが求める未来:持続可能な地域企業とは?

「地元にこんな頼れる企業があってほしい」。そんな声が増えている今、林友グループが目指す未来は、まさに“地域資源を活かした持続可能な企業像”です。地元産の木材を使った公共施設や商業施設の建設、地域住民と連携した木育プロジェクトなども期待されます。

さらに、テクノロジーとの融合にも注目です。プレカット材製造における自動化や、施工現場でのICT活用により、効率的で安全な建築環境を整備する取り組みが加速しています。「地域で働く人が誇れる会社」に近づいているのです。

ユーザーが恐れる未来:市場縮小・外資進出のリスクとは?

一方で、「このままでは地域の企業が淘汰されてしまうのでは」という声も根強くあります。実際、地方の中小企業では後継者不足や資金難により、外資による買収や合併の波に飲み込まれる例が少なくありません。

林友グループが杉山氏をトップに据えた理由の一つには、こうした不安を払拭する狙いもあるはずです。金融業界での経験を持ち、地域経済の動きを熟知した杉山氏のリーダーシップによって、持続可能かつ自立した経営体制の実現が期待されています。

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