上田市のシナノケンシは19日、金子元昭社長(72)が代表権のある会長に就任し、長男の金子行宏代表取締役常務(41)が新社長に昇格するトップ人事を発表しました。社長交代は25年ぶりとなります。この人事は5月25日の株主総会とその後の取締役会で正式に決定される予定です。
シナノケンシの事業概要
シナノケンシは主にモーターを製造しており、産業機器、医療機器、自動車、住宅設備など幅広い分野に供給しています。新社長となる金子行宏氏は、花王を経て2014年にシナノケンシに入社し、開発技術本部長などを歴任。小型人工衛星の姿勢を制御する「リアクションホイール」などの開発を手がけ、宇宙ビジネスへの参入や市場開拓に尽力してきました。
元昭社長の功績と今後の展望
1999年に社長に就任した元昭氏は、メキシコや中国での拠点整備を進め、グローバル展開を強化。また、モーター技術を活かしたロボット分野への参入を実現し、事業拡大を図ってきました。同社は今回の社長交代について、「世代交代を図るのが大きな狙い」と広報室が説明しています。
金子行宏氏のプロフィール
金子行宏氏(かねこ・ゆきひろ)は、東北大学大学院を修了し、2007年に花王に入社。2014年にシナノケンシに入社後、取締役開発技術本部長を経て、2021年から常務を務めていました。上田市出身で、地域に根ざした経営を目指しています。
今後のシナノケンシ
新社長の就任により、シナノケンシはさらなる技術革新と市場開拓を進めることが期待されます。金子行宏氏のリーダーシップのもと、同社の成長がどのように進むか注目されます。