しなの鉄道株式会社（本社：長野県上田市）、長野県の第三セクター鉄道企業が、2024年3月期の決算業績予想を修正しました。電気料金の高騰が落ち着き、運転動力費の削減が見込まれることから、営業損益及び当期純損益の予測値が改善されました。

業績予想の修正ポイント

• 営業損益予想を23年11月発表時の2億6600万円の赤字から、1億7800万円の赤字へ修正。
• 当期純損益は、1億3900万円の赤字から60万円の赤字へ修正。

事故影響と安全対策

昨年6月に上田駅構内で発生した脱線事故の影響で、車両修繕費に3400万円を計上。事故による影響額は合計6400万円となりました。この事故を受け、しなの鉄道は安全対策として以下の施策を実施予定です。

• 木製枕木をコンクリート製に交換。2024年度は2023年度の約4倍にあたる約3800本の交換を計画。
• 古いレールの更新を加速化する方針。

旅客収入の増加と今後の展望

2023年4月から12月期の決算では、営業収益が前年同期比8.7％増の30億8700万円に達しました。観光客を中心とした定期外利用の増加が寄与し、旅客収入も7.1％増の19億9700万円を記録。土屋智則社長は、施設や設備の老朽化に対応し、安全な鉄道運行を最優先に取り組む姿勢を強調しています。

しなの鉄道は、事故からの教訓を生かし、長野県内の安全かつ快適な鉄道サービスの提供に向け、経営資源の投入と効率的な運営を進めていく方針です。