長野県内企業倒産数が3年ぶりに増加、2023年に負債総額が64.4%増加し169億6300万円に

掲載日2024.1.14

 帝国データバンク県内支店によると、2023年の長野県内企業の倒産件数(負債1千万円以上、法的整理を含む)は、前年に比べて4件増えて73件となり、3年ぶりに前年を上回りました。新型コロナウイルス関連の融資などにより、2021年と2022年は05年以降で最も低い69件だったのですが、2023年には増加しました。また、負債総額は前年比で64.4%増加し、総額は1億6,9630万円となりました。この中で、征矢野建材(松本市)の65億円が最も大きな負債額でした。

 

新型コロナの5段階の移行に伴い、経済活動が活性化した一方で、光熱費や原材料の高騰により収益を十分に確保できない企業が増加しています。帝国データ長野支店によれば、「新型コロナが終息した後も業績が改善しない見通しで、事業を続けることが難しい企業が増えている」と指摘しており、今後も倒産が増える可能性が高いと述べています。

一例として、征矢野建材は県などと連携して森林資源の活用を目指す「信州F・パワープロジェクト」の中核企業であり、昨年8月に民事再生法の適用を受けました。印刷業の蔦友印刷(長野市)も124億4400万円の負債が続いています。

 

業種別の倒産件数では、サービス業が15件で最も多く、建設業と製造業がそれぞれ14件、小売業が13件で続きました。倒産原因別では、販売不振が52件で最も多く、売掛金の回収難と設備投資の失敗がそれぞれ1件ずつ報告されました。地区別では南信が22件、中信が20件、北信が19件、東信が12件となりました。新型コロナウイルスに関連した倒産は26件で、前年より5件減少しました。

 2023年12月の倒産件数は7件で、前月比4件増加、前年同月比3件増加しました。負債総額は13億3,300万円で、前月比8億6,100万円増加、前年同月比11億2,100万円増加となりました。

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