長野市に本拠を置く吉田ホームは、長野地裁より6月22日に破産手続き開始決定を受けました。信用調査会社帝国データバンクによると、負債総額は約5600万円に上ります。
受注低迷とコロナ禍で業績悪化
ハウスメーカーの下請けとして新築・改修工事を中心に事業を展開してきた吉田ホームは、2012年10月期には年売上高約2億4300万円を記録していました。しかし、建築業界内の競争激化と新型コロナウイルスの影響により、2021年10月期には売上が約1億500万円まで大きく落ち込むなど、業績が悪化しました。
資材高騰による収益性の低下
加えて、資材価格の高騰に伴うコスト増加を受注単価に転嫁できなかったことも収益性の低下につながりました。代表者の高齢化もあり、将来の事業展望が見通せなくなった結果、事業継続を断念することとなりました。
事業停止から自己破産へ
2022年2月24日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入っていた吉田ホームは、5月1日に自己破産を申請。この申請に基づき、今回の破産手続き開始決定が下されました。
この事態は、建設業界の厳しい現状を如実に示しており、特に下請け業者が直面する厳しい経済環境と新型コロナウイルスの影響による業界の課題を浮き彫りにしています。