人と関わることが自分の成長に
経営を行っていく上で大切にしていることは、技術のスペシャリストになるのではなく、ジェネラリストであることです。皆と会話ができるように様々な知識を得るということを心掛けています。色々な人と会話をすることが自分の成長につながると考えています。学生時代は、数学などが得意だったので理系の大学に進みましたが、経営学にも興味を持っていました。なので、お昼は理系の大学に行き、夜はフィナンシャルプランナーの資格を取得するため、セカンドスクールに通っていました。そこで出会った人たちと一緒にご飯や飲み会に行ったりして交友関係が広がりましたね。様々な人との会話を通して、偏見を持たずに接することができるようになりました。
失敗は成功するまでの過程
もともとはリーダーのように人の上に立つことは嫌いでした。自分をアピールしなければいけない状況になるととても緊張するタイプですね。中学2年生の時には対人恐怖症になり、周りからの視線が怖く感じる時期がありました。しかし、人と会話をしないことの方が逆にストレスとなり、孤独は私自身を成長させないことに気付きました。
何事においても、失敗は立ち上がらなければ本当の失敗です。しかし、成功するまで頑張れば、上手くいかない時間は成功するまでの過程となります。そのような考えが自分の本質なのだと気づきましたね。
海外で得た学び
30歳手前で、両親から研究員として海外へ行かないかという誘いを受けました。学生の頃にも何度か誘いを受けて断っていたので、最後のチャンスだと思い行くことを決めましたね。海外へ行くために、当時勤めていた会社を辞めて、地元である長野へ戻ってくるように言われ、不二越へ入社しました。
英語が全く話せないまま行ったので、スパルタでしたね。給料も少なくろうそくで生活する日もあるほど生活は厳しかったです。そのおかげで、英語が話せなくても生きていけることや、人のありがたみ、偏見を持つことがなくなりました。
経営を行う上での不安
社長を引き継ぐにあたって、先代が急に亡くなってしまったので、困った時の相談先がなかったことに苦労しました。経営を行う上でなにか不安を感じた時に、背中を押してくれる存在がないので、自分の決断が正しいのか不安に思うことが多かったです。若くして社長になったので、お付き合いする方々が年上の方ばかりで、私自身が教えていただくことの方が多かったです。不安はありましたが、恥をかいてもいいというスタンスで、現場に出て積極的にコミュニケーションを取るようにしました。
家族のように大切に想う
社員は家族であるという精神を大切にしています。それは甘えたり甘やかしたりする関係性ではありません。いざという時に家族を無条件で助けるように、社員が困っていたら助けるということです。それは社長として当たり前だと思っています。
社員と深い関係性を築くために、現場に出て社員と話すようにしています。社員の椅子に座って様子を見ていると、気づいた社員からはびっくりされますね(笑)。飲み会にもなるべく参加するなどして、普段からコミュニケーションをとるようにしています。そうすることで、社長である私に直接相談をしてくれるようになりましたね。
社員の生活の豊かさが会社の成長に
新しい事業をするというよりは、会社を成長させて社員に還元することに重きをおいています。社員が明るい顔で会社に来て仕事をしている姿を見ることが私にとってやりがいです。社長になるにあたり、地域で一番の会社となり、そこから県内・日本、そして世界一の会社になることを目標として掲げました。会社が大きくなるには、社員の生活が豊かになることが大切であると考えています。
大きい目標のように感じるかもしれませんが、達成できる・できないではなく、諦めない限りは失敗ではないので目標に向かって日々励んでいます。そのために、自分で考えて行動できる、能動的な人を待っています。言われたことをやるだけではなく、チャレンジしようとする志を持った方と働きたいですね。
様々な人と会話をすることで自分の成長へとつながる
家族である社員とともに世界一の会社を目指し成長し続ける