長野を愛し、地域を支えるため家業の道を選ぶ

長野で生まれ育ち、大学進学を機に東京へ。スポーツ観戦が好きで、将来はスポーツライターを目指していました。家業を継ぐつもりはまったくありませんでしたが、大学3年のときに将来について親に相談した際、「家業を継がないか」と声をかけられたことが転機になりました。幼いころから祖父母や両親の働く姿を見ていたため、その言葉をきっかけに真剣に家業を考えるようになりました。卒業後は茨城県の肉の専門学校で1年間学び、量販店や町の肉屋、スーパーのミートセンターで研修を重ね、肉の基礎を身につけました。東京での生活を経ても変わらなかったのは、長野への愛着と地域を盛り上げたいという強い思い。その気持ちに背中を押され、再び長野へ戻る決意をしました。
逆風を乗り越え、覚悟を胸に歩んだ道

専門学校を卒業後、家業であるプロミートに入社しました。ところが入社当初は、デフレーションやBSE(牛海綿状脳症)などの厳しい逆風に直面し、最初の10年間は決して楽しいとは言えませんでした。それでも「いつかは社長になる」という覚悟を持ち続け、地道に経験を積み重ねてきました。そして、約5年前に自然な流れの中でプロミートの社長に就任しました。
信州の食文化を守り、地域を支える

社長に就任して最も変わったのは、経営面でお金の心配をするようになったことです。就任時期がちょうど新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、売上は通年で4割も減少しました。プロミートは主に外食産業への卸売を行っているため、学校やホテル、レストランの休業は大きな打撃となりました。それでも、政府の補助金を活用し、仕入れの見直しや設備投資、そして会社の強みを再確認することで、なんとか立て直すことができました。今は長野の町を盛り上げたいという思いを胸に、信州産のお肉を通じて地域の外食産業を活性化し、食文化を豊かにすることに力を注いでいます。
信州牛への誇りを胸に、地域一番を目指す

プロミートの最大の強みは、やはり信州牛です。祖父の代から地元の和牛ブランドを大切に育ててきましたし、私自身も小さい頃からその味に親しんできました。地元のブランドとして誇りをもって信州牛を扱ってきたからこそ、プロミートに入社したときから「地域で一番誇りをもって信州牛を扱える会社にしたい」という思いを胸に仕事をしています。
“まていに”の心で信頼と品質を守る

私は仕事において、肉にもお客様にも正直で誠実であることを何より大切にしています。子どもの頃から「かたい信用、やわらかい肉」というキャッチフレーズを見て育ち、信頼を得るために自分がすべきことを常に考えてきました。さらに、地元の方言で「大切に丁寧に扱う」という意味をもつ「まていに」という言葉も、私にとって大切な教えです。祖母が「お肉も隅から隅まで無駄にせず使いなさい」と言っていたその思いを胸に、日々の仕事に誠実に向き合っています。
同じ目線で人と向き合い、信頼を築く

飲食店のお客様には、求められる料理を想像しながら最適な肉や部位を提案しています。自分の提案したメニューでお店が繁盛することが、何よりの喜びです。社員に対しても、上から指示を出すのではなく、常に同じ目線で接することを大切にしています。その一環として、タイムカードを自分のいる場所に設置し、社員が退勤前に自然と声をかけられる環境をつくるなど、日常の中でコミュニケーションがうまれるように工夫しています。
信州牛で長野の食文化を豊かにしたい

プロミートの魅力は、信州牛を通じて地域の食文化を豊かにし、外食産業を活性化できることにあります。長野は観光地としても多くの魅力があり、信州産のお肉を発信することで地域全体を盛り上げることができます。私は長野という町が本当に好きです。だからこそ、会社を通して長野の外食産業や食文化を支え、地域を盛り上げたいと考えています。


信州牛に誇りを持ち、長野の食文化を支える
前向きさと強い地元愛を力に、長野の食文化を支える