久保田 敏之

長野電鉄 株式会社
久保田 敏之
TOSHIYUKIKUBOTA

安全・安心だけを求めて保守的なままではいけない。変革意識を大切に、業界に新たな風を吹かせる社長。

長野電鉄 久保田敏之社長「守りの体制から一歩踏み出し、新たな変革を生み出していきたい」【長野市】

安全・安心だけを求めて保守的なままではいけない。変革意識を大切に、業界に新たな風を生み出す長野電鉄の久保田敏之社長に、社長として大切にされている方針や、今後の事業展望などについてお話を伺ってきました。

インタビュアー
芹川 朋花

会社の成長のために、時にはリスクのある方を選びチャンスに変えていく
守りの体制から一歩踏み出し、新たな変革を生み出していきたい

目次

一歩踏み出して変革を起こす

鉄道事業をはじめとしお客様の命をお預かりしている立場として、何よりも安全安心を最優先に事業を進めています。それに加えて、変革意識を持つようにしています。鉄道車両は、線路という与えられた軌道上を従順・安定的に動きますが、自ら軌道から離脱して動くことはありません。そんな鉄道のように、私たちも安定走行だけになってしまえば、会社として活力がなくなってしまうと考えるからです。

事業として同じことを続けていても会社は衰退していくだけです。安全地帯から一歩踏み出し、行動を起こすためには、社員の協力が必要不可欠となります。共に会社を支えてくれている社員にも、変わろうという気持ちを持ってもらえるように心がけています。

リスクをとらなければチャンスは巡ってこない

分譲地開発やマンション開発など、失敗したら会社に大きな損失を与える事業を行った際には、大きな不安を抱えました。元々保守的な風土があった会社の中で、リスクを負ってまで事業を進める社員はあまりおらず、反対意見を受けることもありましたね。しかし、チャンスとリスクは裏腹であり、リスクをとらなければ利益は生まれません。

そのようなスピード感を持った決断力を認めていただき、社長という役割を任せて頂けていると考えています。社長として心がけていることが、現場重視です。経営者だからといって、社員から一歩離れて仕事をするのではなく、定期的に現場に出向き、社員への声掛けを行っています。

アルバイトから得た学び

幼い頃は、図工の授業が一番好きで、芸術家タイプでした。他のクラスメイトとは全く異なる、オリジナリティ溢れる作品を作っていたので、先生からは変人扱いされていましたね(笑)。面白い!と感じたことに対しては、積極的に取り組んでいました。

中学校時代はワンダーフォーゲル部に入り、山登りをしていました。山が好きというわけではなく、蝶を集めるために山に登っていましたね(笑)。大学では、家庭教師や運送、医学図書館、時には心理学の実験台など、多種多様なアルバイトを経験しました。社会に出ている方々と関わることのできるアルバイトはおすすめですね。社会の一部を見ることができますから。

安全・安心から信頼に繋げる

安心安全を標榜する立場として、四半世紀にわたり長野電鉄に責任のある有責事故がないことに、誇りを持っています。どれだけ気を付けていても、一定の確率で事故は起こってしまうものです。そんな中で、有責事故ゼロを今でも更新し続けているということは奇跡的で、鉄道に従事する職員に感謝しています。

私どもの会社は鉄道事業だけではなく、様々な事業を行っています。その中で、不動産関係の事業では、「長野電鉄の不動産事業だから安心感がある」というお声をいただきます。時には松本からご相談に来て下さるお客様もいらっしゃるくらいです。安全安心、そこからくる信頼が私どもの強みであり、今後も守り続けていきたいと考えています。

その人自身のスキルを大切に

私たちの職場では、性別関係なく、やりたい人がどんどん新しいことに挑戦できるような方針をとっています。実際に、長野電鉄の子会社の1つは、女性が社長として活躍してくれています。女性の管理職率を〇%にする、という具体的な数字目標を立てることも大切だと思いますが、それ以上に、性別にこだわるのではなく、やる気のある人が成長し活躍できる職場環境を整えることを大切にしています。

また、グループ会社の中での副業を認める制度を始めました。お手伝いに行った社員は、新たな分野の学びを得ることができ、社員同士で成長する機会につながっています。お互いにとってメリットのあるような制度を今後も作っていきたいですね。

付加価値を生み出す事業を

人手不足の課題に直面している中で、ベトナムからの技能実習生を受け入れる取り組みを進めております。日本語が流暢ではない彼らに対して、社員ははじめどうやって会話をすればいいのか戸惑う様子も見られましが、実習生たちに指導する立場として、責任感を持って一生懸命教えてくれており、社員自身のレベルも上がっていきました。人手不足に直面する介護や鉄道保守、自動車整備の現場で、職場全体の士気を高めてくれる彼らには大変感謝しています。

個人的には、社会課題に対して何か手助けできる事業を行いたいと考えています。具体的には、アグリ事業をやりたいと考えています。長野県の農業の実態として、農業従事者の平均年齢が70歳を超えてきているという現状があります。休耕地も増えてきている中で、担い手不足の課題がさらに深刻化すれば、さらに大きな課題となってしまいます。一つの社会的使命として、付加価値を生み出す事業を進めていきたいです。

久保田 敏之
久保田 敏之
TOSHIYUKIKUBOTA
1955年京都府生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。1978年、株式会社八十二銀行入社。2008年、長野電鉄株式会社入社。2023年、代表取締役社長に就任。
長野電鉄 株式会社

〒380-0833  長野県長野市権堂町2201
TEL:026-232-8121(代表)

5代目以上 60代社長 サービス業 創業100年以上 北信 地域密着型 売上30億円以上 女性が活躍 社員数100人以上

本記事のインタビュアー

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