バーでの運命の出会い
高校卒業後、地元の会社へ就職しましたが、若気の至りですぐに辞めてしまいました。このまま地元で人生を終えるのも嫌だったので地元を出て東京で暮らし始めました。何の目的も持たずに上京しましたが、食べていくためにとりあえず飲食店で働くことにしました。ある日勤めていた飲食店の方にバーへ連れて行ってもらったんです。そこで出会ったバーテンダーの格好良さに惚れて「バーテンダーになりたい!」という衝動から、その場でバーテンダーとして働かせてほしいと頼みこみました。
0から造ったワイン畑
ソムリエの資格を取りイタリアンレストランで働き始めた頃、お客様に訪れたことのない生産地のワインを勧めることに違和感を感じていました。ワインを勧める上で、人から聞いた情報よりも自分で体感した情報の方が価値があると感じ、ワインの生産から関わらないと本当の意味でワインを知ることはできないと思ったんです。そこで、ワイン用のブドウを生産し、ワインを醸造するまでの全てのプロセスに挑戦したいと思い、畑を借り、自分の理想とするワインを醸造するため、0からワイン畑造りを始めました。
家族とスタッフのために
飲食店というと労働時間が長かったり、給料が少なかったりと労働条件が良くないイメージを持たれていると思います。自身の経験を踏まえても、なかなかその部分を改善することは難しいと感じていますが、一緒に働くスタッフと、その家族のために福利厚生の充実が大切だと考えています。1店舗から始まったお店が2店舗、3店舗と広がったのは、それも全て、一緒に夢を追える仲間がいたから。だから働く仲間たちにとってより良い会社を、仲間と一緒に夢を追いかけることのできる会社を目指しています。
ワイン文化のために
ワインは海外から日本に入ってきた食文化の1つです。そこで、さらなるワイン文化の構築のために、複数のワインイベントの開催に携わってきました。長野市でのワインイベントを企画した際には、「地元のワインをより多くの人にカジュアルに楽しんでもらいたい。」「野外レストランの様に美味しい食事とお酒を提供したい。」という想いから、「野外」という場所で、イタリアンやフレンチなどワインに合うものと共に、「ラーメンや焼き鳥」と「ワイン」を一緒に楽しんでもらえるようなイベントを企画し、多くの人にワイン文化に触れていただきました。
大人になった実感
「ワインを造りたい!」と思うまでは、好きなことや、やりたいことを最優先に生きてきました。そうした過去の経験から、今は「自分がやってきたことを、人に返していきたい。」と考えています。ようやく、少しは大人になれたのかなと(笑)。
会社のために
人生を終える上で理想のシチュエーションというものがあります。年老いた自分が家族と一緒に自作のワインを飲みながら、「まだ俺たちが作ったワインはまずいな。私にはできなかったけど、ここにいる子どもたちやその次の世代がワイン造りを継いで、きっともっともっと美味しいワインを造ってくれるはず。」と思えたら満足に人生を終えられると思うんです。その風景に必要なものは、お陰様ですべて揃っています。だから今後は自分のためではなく、「仲間と会社」のために働いていきたいと考えています。
美味しいワインを0から作り、自分の店を構えたい。長野県から日本中にワイン文化を構築していく