荻原 大

株式会社 荻原農園
荻原 大
DAIOGIWARA

自信と誇りを持つ働き方を目指す会社。全員で幸せになるために学び続ける社長。

【長野市】荻原農園 荻原大

自信と誇りを持つ働き方を目指す会社へ。全員で幸せになるために学び続ける荻原農園の荻原大社長に、会社設立以来の苦労と未来に向けた取り組みについてお話を伺いました。

インタビュアー
杉江 夏実

まずは身近な人を大切に。謙虚な姿勢と感謝と思いやりを持って、人やリンゴの木と向き合い、皆が幸せになる会社を目指して学び続ける。

謙虚、感謝、思いやり、一番近い人を大切に

会社を創業し経営する中で、様々な人に出会い得たことがあります。一番身近な家族を大事にできない人は、社員やお客様を大事にすることができないということです。代表取締役になってから、外ばかり目を向け、社長としての付き合いを言い訳に家族をないがしろにしてしまった時期がありました。

社長という立場は、裸の王様になりやすいと思っています。相手を理解しようとする気持ちや姿勢がなければ、家族や社員、お客様からも理解を得られません。家族に「頑張ってきな」と応援してもらえる人間になれば、社員やお客様に応援してもらえ、皆が幸せになれると考えながら頑張っています。

6年間の学びを通して

6年前から、同友会や経営者同士の集まり、勉強会で、会社の経営について学び始めました。それまでは、経営について何も知らず行き当たりばったりで会社を経営していました。今思えばとても怖いですね(笑)。

勉強会で学び始めた頃は、知識ばかりを付けて、あたかも自分は経営のことをちゃんと理解しているような気になっていました。しかし、実行するスキルも無く、社員に上手く伝えることもできず、逆に溝ができてしまいました。最近になってやっと、ようやく社員に自分の知識を伝えることができるようになってきました。また、勉強会では、経営のほかに心理学を学んでいます。

勉強する中で、社員やお客様など、相手の気持ちや立場になって考え理解することの重要性を再認識しています。最近になって経営に加え、心理学の知識も自分のものになってきていると感じ、それがものすごく嬉しいんです。

不作の年に得たこと

2019年は、凍霜害という気象災害によって農園の梨が全滅してしまいました。りんごもあまり良いものができず、初めて赤字を出してしまいました。上手くいかないことばかりで、人のことを思いやる仕事ができず、その場しのぎの対処ばかりしていました。なんとか売り上げを確保したいという思いで必死だったんです。

自分の仕事の理想と行動が一致せず、社員やお客様に対して真摯な対応ができませんでした。この時、お金のためだけに経営してはいけないと感じました。お金のために経営すると、私と社員の誇りや自信も無くなってしまい、お客様に対しても真摯な対応ができなくなってしまいます。

もちろんお金は大事だけれど、手段であって目的ではないため、お金のためだけに経営していると絶対に上手くいきません。

学びが現場につながるまで

会社を創業してから経営ばかりに力を注いでいたので、現場に出る機会が減っていました。不作だった2019年は、私も現場に入り作業をしました。短期アルバイトの60代の方と一緒に作業をした際に、どうやったら摘果を早くできるか教えましたが、その方に「スピードをコントロールされたくない」と言われました。

その時に、「人はスピードややり方をコントロールされると仕事が楽しくなくなり、言われるがままだと、創造性やりんごへの思いが育たなくなってしまう」と気づきました。早く作業しようと思うのは、誰かに言われてやるものではなく、その人自身が気づくものだと思います。

決められた成功法に固執せず、人でもりんごの木でも同じですが、その人によってやり方を変えなければいけないんです。6年間学んできたことがこの気づきに繋がったと思います。やっと現場に落とすことができたという実感がありました。

何年もりんごの木と向き合うこと

父親には、「りんごを作ったってなんにもならない。売れなければだめだ」と言われていました。多くの人がりんごを作る方から農業に入るのに対して、私はりんごを売る方から農業に入った人間です。だから、りんごを売る技術はあっても、良いりんごを作る技術はありませんでした。

不作の年に、たまたま別の農家の贈答用のりんごを買ったことがありました。そのりんごはものすごく赤く艶があり、手に張り付くような肌触りでした。それを見た時に「りんごってこんなに美しくなるんだ、じゃあ今まで自分が作ってきたリンゴはなんだったんだ」ととてもショックを受けました。

ただりんごを売るだけでなく、良いりんごを作らなきゃいけない、そのどちらも必要だということに気が付きました。良いりんごを作るためには、何年も木と向き合わなければなりません。人によって対応を変えなければならないように、りんごの木それぞれに必要なことをしてやらなければなりません。

皆と幸せになれる会社を目指す

荻原農園の魅力は、社員の仲間意識が強いことです。ここ数年で、社員たち全体の共通の軸をつくることに力を入れてきました。その甲斐があって、やりがいを持ち取り組んでいる人が多いように思います。また、利益を社員のためになることに投資しています。

具体的には、経営や利益について社員も一緒に学ぶことです。外部研修に連れて行ったり、講師を呼んで勉強会を開いたりしています。農家では珍しい取り組みだと思います。

荻原農園の経営理念は「私たちは共に築く、自然の恵みの贈り物から、農業の未来を切り開きます。」というものです。そして四つのスローガンがあります。

・お客様に満足を。

・社会農業に貢献を。

・働く仲間に幸せを。

・そして何よりもすべてのことに感謝を。

荻原農園は、働く皆が幸せになる会社を目指しています。これらに共感してくださる人と一緒に働きたいです。しかし、ただ幸せになりたいだけでは不十分だと思っています。幸せになるためにどうすればよいか考えて、そのための行動ができる人を求めています。

荻原 大
荻原 大
DAIOGIWARA
1980年、長野県長野市生まれ。須坂園芸高等学校(現須坂創生高等学校)卒業後、三代目として農園を継ぐ。2008年に株式会社荻原農園を設立、代表取締役となる。
株式会社 荻原農園

〒389-1102 長野県長野市豊野町大倉2508-3

TEL 0120-981-416

FAX 0120-981-422

本記事のインタビュアー

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