リーダーシップの原点
高校と大学で応援団に所属していました。長野高校が春のセンバツ甲子園に出場した直後に入学したので、野球部も応援団も勢いがありカッコよく、自分もやってみたいと思い入団しました。そして高校1年次に早稲田大学の応援部に所属する教育実習生の方と出会い、大学の応援を教えていただいたことがきっかけで、大学でも応援部に入部しました。応援に熱中した学生時代を過ごしましたね。そして大学4年次には、リーダー、吹奏楽団、チアリーダーズから成る100名ほどの部員をまとめる主将を務めました。大変だと感じる場面もたくさんありましたが、リーダーシップの勉強をさせていただく大変貴重な経験になり、今に活かされていると感じています。
目の前にいる100人を幸せに
26歳のときに長野1区から衆議院議員選挙に立候補しました。選挙活動中、シューマートの創業者である岡宮さんと出会い、「人、モノ、カネを動かしていくという意味では、経営も政治も一緒である。まず1億人の人を幸せにしようと思う前に、目の前にいる100人を幸せにしてみろ。」というお言葉をいただきました。選挙活動後もその言葉が、私の心に残っており、この出会いが今の仕事に就くきっかけとなりました。
弊社は全員が株主である会社なので、いつかは私自身も交代し、引き継いでいかなくてはなりません。だからこそ、常に社長と従業員という立場ではなく、対等を意識しています。従業員の方々には、自分も経営に参画しているという意識を持ちながら、行動してほしいと伝えています。どうしたら会社がより良くなるのか、どうしたらみんなが幸せになるのかを共に考えようという姿勢で接することを心がけています。
仕事をする中で社長にしかできないこともあります。世の中の流れをつかみ、先見性を持ちながらどのような方向に進むべきか指し示すとともに、決断をし、従業員と一緒に前へ進んでいく、そんな社長を私は目指しています。
常にお客様のために
長野に住む方々にとって、豊富な品揃えと安さがシューマートモデルでした。しかし、健康に直結する靴であるからこそ、お客様により良いモノを提供したいという想いから、2020年の構造改革後、フットヘルスケアカンパニーとしてお客様の足からの健康づくりをしていこうという宣言を行いました。
お客様の足からの健康づくりを提案するには、足と靴への豊富な知識が必要です。なので、足と靴の専門家であるシューフィッターの資格をもつ人財を育てています。ただ製品を売るのではなく、常に「お客様のために」という気持ちを忘れず、お客様の足と靴のお困りごとを解決する存在になることを目指し、取り組んでまいりました。
靴もファッション業界に属するので、流行り廃りの波が激しく、安定的に経営し、成長していくということに難しさを感じていました。しかし、お客様から感動のお手紙やメールをいただくことが増え、私たちが進んできた道は間違っていなかったのだと日々実感し、働く仲間も皆、これまで以上に喜びとやりがいを感じているはずです。
「一会創志」
私の座右の銘は、「一会創志」です。一つの出会い、一つの機会が志を創る。選挙があり、創業者である岡宮さんに出会っていなければ、社長になることもなかったと思います。また、現在のアシックスであるオニツカタイガーの創業者である鬼塚さんとの出会いでは、「弱者が強者に勝つ方法」や「使う人に寄り添ったモノ作り」など様々なことを教えていただき、高い志を持つことができました。「ひとつひとつの出会いや機会を無駄にしない。」これを私は日ごろから心に留め、大切にしていますね。
健康を守る存在として
私たちはSDGsの3番目のグローバル目標である「すべての人に健康と福祉を」という項目から、地域の皆様の足からの健康づくりに貢献したいという想いを持ち、信州SDGs推進企業として、足育の提供や地域社会へ貢献できるイベントの開催に取り組んでいます。
お客様の役に立つ能力・技術・知識を身に着け、お客様のお困りごとを解決する存在になることが私たちの使命です。医者になることはできませんが、病気が顕在化する前に、専門技術と専門知識を持った従業員がお客様の足の状態をみて病気にならないよう努めています。小売業というよりは、お客様の健康を守るビジネスを今後も展開していきたいと思っています。
地域の皆様の足からの健康づくりに貢献する
地域への感謝とひとつひとつの出会いを大切に、前向きなスタッフと共に進み続ける