吉岡 直美

株式会社 ベスト・カラー
吉岡 直美
NAOMIYOSHIOKA

地域や人とのご縁を大切にしてコロナ禍も乗り越え、色と香りを使って幸せと感動を広めていく社長。
掲載日2023.3.28

ベスト・カラー 吉岡直美社長「1つの街に1人、色の先生がいる環境にしていきたい」【松本市】

地域や人とのご縁を大切にしてコロナ禍も乗り越え、色と香りを使って幸せと感動を広めていく社長に、起業までの経緯や地域に根ざした幅広い事業についてお話を伺ってきました。

インタビュアー
冨田 彩花

ブライダルの装飾・前撮りや地元企業の装飾、色と香りの学校など幅広い事業に取り組む
「1つの街に1人、色の先生がいる環境にしていきたい」

目次

誰にもできないようなことをやってみる

弊社は結婚式場の装飾や前撮り、フォトウェディング、色と香りについて学ぶ学校、結婚式場選びで迷子になっている方たちへのアドバイスなどの事業を行っています。私たちの強みは、「誰もできないようなことをやろう」という気持ちで、他にはない会社ではないかと思っています。結婚式の装飾も、ナプキンのたたみ方やテーブルクロスの色の組み合わせを選んでもらうなど、通常は手を掛けない部分にこだわっていることが多いですね。

ウェディングだけでなく、ハロウィーンやクリスマスなど季節に合った装飾を企業から依頼を受けて日本各地へ行っています。装飾の企画の段階から頼まれることが多いので、その企業のお客様がどんなものを喜んでくれるか、ということを社員と話し合って考えています。

東京で気がついたこと

私は長野県出身ではなく、千葉県柏市の出身です。服に興味があったため新卒で三越に入社し、紳士服売り場へ配属になりました。お客様にコーデの提案をさせていただくと、お客様によって似合う、似合わないがわかってきました。よく考えると色が関係していると分かったんです。そこで色と繊維の勉強をしました。そして、もっと自由な会社で働きたいと思い、リクルートに転職をしました。そこで、世の中には自分で会社を作って、やりたいことを仕事にしている人がこんなにもいるんだということを知り、私もやりたいことを仕事にしたいと思いました。毎日の満員電車にも疲れ、東京は少し辛いなと思い、丁度いい田舎に行こうと思って東京を出ました。

松本へ来て松本城で決意したこと

東京まで電車1本で帰ることができ、車でもすぐに行けるという丁度いい距離にあったのが長野県でした。永住するかもわからない状態でひとまず松本に来てみたんです。その時に松本城に登って、天守閣から見えたのが松本の山々が連なっている景色でした。長野県は山に囲まれているんだ、山は繋がっているんだと思いました。こんなに山がある所に住んだことがなかったので住んでみようと思いました。

自分がやりたい仕事を考えたときに、小さい頃から色と紙と布とリボンが好きなので、これらを一緒にできる仕事をしたいと思いました。当時友人の結婚式によく出ていたので「結婚式だ」と思いつきました。結婚式の仕事ってワクワクして楽しそうだなと、自分であれこれ妄想してみました。自分が考えたことが需要のあるもので使い物になるのかどうか、結婚式も執り行っているホテルブエナビスタ様へ聞きに行ってみました。タイミングが良くホテルブエナビスタ様の3周年の企画を私の考えたものでやってみようということになりました。これが松本に住む決定打になりました。

コロナ禍でもご縁を大切にして乗り越えた

私たちはお客様に真っ向から「できません」と断ることはしないようにして何でも屋さんみたく、色々なことに手を広げて仕事をしていたので、コロナ禍でも何とかやってくることができました。

それでもコロナの感染が拡大すると結婚式が全く無くなってしまい、半年間休業しました。週1日の出勤にしましたが、チームがバラバラになってしまい、このままでは危険だと思って半年後に従業員全員を呼び戻して、結婚式以外でもできることをやろうと伝え、事業を再開しました。

そこで装飾の仕事を積極的に行い、例えば、諏訪にあるホテルから客室の備品や従業員の制服のデザインのリノベーション企画を一から任された時は、制服のデザインを私だけで考えるのも面白くないなと思い、松本にあるデザイン学校の学生にデザインをしてもらいました。コロナ禍で学生も窮屈な思いをしていたので、卒業後も残るものを作ることで思い出になればと思いました。デザインしてもらったものを縫って製品化してくれるところも絶対に松本で見つけようと思い、コロナで影響を受けていたのにもかかわらず引き受けてくださり、上手く繋ぐことができて良かったです。

地域の学校とコラボをして地域と繋がる

去年は松本大学の学生にホテルで提供するハロウィーンのケーキを考えてもらいました。部屋の装飾をするのが私の仕事なので、テーマとコンセプトを伝えたうえで、その装飾の中でどんなケーキを食べてもらうのがいいか、アイディアを出してもらって、実際に売るというコラボをしました。依頼をしていただいたホテルはメディアに出ると宣伝にもなり次の新卒採用に繋がりますし、学生は自分の作った作品がお客様に売ってもらえる喜びを感じてもらえたため、良い循環になりました。

「吉岡さんって断らない人だよね」というのがあるので色々な仕事で声を掛けていただけて、こうして学生ともコラボをして地域の中で繋ぐことができています。

色と香りの知識は人の役に立つ

弊社が運営をしている色と香りの学校エコールデココには17歳から73歳の生徒さんが通っています。不登校で学校には行けていないけれど、ここの学校は楽しくて仕方ない、将来メイクの仕事をしたいと毎回来てくれています。

色や香りの知識は自分だけでなく人のために役立てることができるんですよ。自分の好きな香りを選んでいくと、見られたい姿や好きなタイプなどがわかるんです。なりたい自分に合う香りをつけたり、自分が服を選ぶ理由がわかったりしておもしろいんです。占いと違って自分で選んで診断結果が出るので納得感があり、男性の方も受け止めてくれるんです。

街に1人、色の先生がいる環境を県外にも

今後は、1つの街にカラーの先生が1人いるような街づくりをしていきたいと思っています。現在長野県には12人の色の先生と約100人のスタイリストがいます。街に1人先生がいればイベントができますし、これまでも、被災地にいる方たちを色や香りで元気づけるために岡山や東北等にも行きました。子どもたちに色や香りのことをしっかり伝えていきたいという思いもあるため、長野県のようなモデルを他の県でもできるようにしたいです。

長野県内でもまだまだ発信が足りていないので、長野県をモデルケースにできるように私自身が発信していかなきゃと奮闘しています。

吉岡 直美
吉岡 直美
NAOMIYOSHIOKA
千葉県柏市出身。前職は株式会社三越、株式会社リクルート。1995年、株式会社ベスト・カラー創業。2012年、色と香りを学ぶ学校 エコールデココ開校。
株式会社 ベスト・カラー

住所:Office 399-0033 長野県松本市笹賀8043-2

            Salon  390-0831 長野県松本市井川城1-6-36

TEL:0263-28-0960

FAX:0263-27-7735

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本記事のインタビュアー

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