水島 康明

株式会社 水島紙店
水島 康明
MICHIAKIMIZUSHIMA

人のためになる瞬間が最高のよろこび。人との交流の場を自ら作ることで地域づくりを目指す社長。
掲載日2023.7.6

水島紙店 水島康明社長「事業を通じて地域密着」【長野市】

人との交流の場を自ら作ることで地域づくりを目指す水島紙店の水島康明社長に、事業を通じて地域づくりを目指し、より人とのつながりを持ってもらうためにコワーキングスペースを活用するお話を伺ってきました。

インタビュアー
酒井 瞳

紙袋から地域づくりを目指す。より人とのつながりを持ってもらうためにコワーキングスペースを活用したい。

目次

知行合一

陽明学(儒教の一派)の言葉である「知行合一(ちこうごういつ)」の考え方を大切にしています。この言葉の意味は「知識」と「行い」は一体であり、本当の「知る」とは、「実行」が伴わなければならないということです。この教えは、行動第一主義で口だけ言っているだけは知らないのと一緒ということです。なので、知っていたらやらなければいけないし、考えていることとやっていることが一致していないといけません。つまり、行動して初めて知っているということになるんです。

また、ビジネスは実践の場なので研究して満足するということではなく、成果を出さないといけません。時に襲いかかってくる不安を払拭するには行動するのが一番だと思います。そして、自分が知ったかぶりになっていないかどうかを日頃から考えるようにしています。

人のためになる瞬間

「良い紙袋を作ってくれて嬉しい」とお客様から喜ばれることはもちろんのこと、お客様や世の中など人のためになっていると分かった瞬間が一番嬉しく感じます。私自身会社の外で社会活動をしていたことがあり、その体験が今の事業のベースになっていると思っています。そこで本業とボランティアは分けて考えるものではないと思っていました。本業もボランティアもどちらも社会から必要とされているため、この二つは分けずに一致させたいなと思っていました。

そこで象徴的だったのは、長野灯明まつりです。私は長野灯明まつりを立ち上げるときのメンバーの一人でした。それまでは自己満足的な事業ばかりで、なかなか芽が育たないという時期でした。そこに居合わせた仲間と、将来この地域の文化として子から孫へと語り継がれるようなものを残したいと考え、長野灯明まつりを始めました。

最初は身内だけのまつりでしたが、ある時、おばあちゃんを連れた家族が灯明まつりにきている姿を見てすごく嬉しい気持ちになりました。自分のやっている活動がとある一家の家族イベントとして「行って良かったね」と思ってもらえることが心から嬉しかったです。一般の人たちのささやかな思い出に自分が関わっていることにとても喜びを感じました。

紙袋からコワーキング事業へ

弊社としては紙袋を作って終わりではなく、もっとその会社の中身を世の中に知ってもらえるような機会を提供できないかと考えて、新しい事業であるコワーキングを始めました。コワーキングスペースをビジネスの交流の場にすれば、弊社のブランドである手提屋のお客様との交流が生まれ、相乗効果になるのではないかと思いました。

弊社は紙袋を作ることが目的ではなく、紙袋を通じた地域づくりを目的としています。紙袋で紹介したいのは人やその会社であって、あくまで紙袋は脇役であり、そっと寄り添うものだと考えています。紙袋は色々な機会で使われることがありますが、そこにはやはり人との繋がりがあります。紙袋はそういった人との繋がりの役目も果たしています。

人との繋がりを大切に

ペーパーレス社会を背景に業績が厳しい中、12年前自分が社長になった時、社員を他の業界へ促すなど退職勧奨をしていた時は愚かでした。その状況を改善するために新規事業で乗り越えるようにシフトしました。当時は業績が悪化したらリストラという考えで事業開発をするという考えは思いつきませんでしたが、今思えば他の選択肢もあったのではないかと思います。その厳しい環境でも先輩や仲間など色々な人に励ましてもらっていて、自分を激励してくれる人を大切にしたいと思い、激励してもらえるような存在になりたいと思いました。

これからの水島紙店

将来的には、コワーキング事業のように新しい働き方を地方に普及させて、地域の皆さんがより豊かな人生を送れるようによりよい働き方ができる環境づくりのお手伝いができればいいなと考えています。また、経営者層に啓発して、より柔軟な働き方で社員の幸福度を上げていくお手伝いをしたいなと考えています。目指すものは、よりよい地域づくり、よりよい未来です。そのためにも新しく始めたこのコワーキング事業を成功させたいと思っています。

水島 康明
水島 康明
MICHIAKIMIZUSHIMA
1973年長野県生まれ。1996年、水島紙店入社。2012年、代表取締役に就任。2023年、コワーキングスペース&シェアオフィス「TERMINAL51°」を開設。
株式会社 水島紙店

住所:〒381-0034 長野県長野市高田420

TEL:026-227-4131㈹

FAX:026-228-4547

3代目 50代社長 創業50年以上 北信 卸売 地域密着型 売上1億円以上 社員数10人未満

本記事のインタビュアー

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