靴一足のお届けから
弊社は企業などの服に関連するものを幅広く卸売り、小売りしています。ユニフォーム、帽子、ヘルメット、タオル、軍手などですね。加工もできるので、お直しやお名前をいれるところまで一貫してできるのが強みです。あとは、靴一足などの細かい注文も大切にすること、お客様対応を丁寧にすることを心がけています。扱う商品が既製品だと、差別化をしにくいんですよね。その分、人で勝負しています。お客様は、長年取引させていただいている方が多いです。父の会社の時代から、30年、40年とお付き合いいただいている企業様もあります。
繋がりから逃げない
今の会社は、父親の経営していた会社をベースに事業継承をしました。でも、はじめから父親の会社を継ごうと考えていたわけではありませんでした。東京の大学に進学したのですが、人間関係がうまくいかず、1年で中退してしまいました。今考えると親不孝者ですよね。それで長野に帰ってきて、アルバイトが決まったんですけど、そのタイミングで父親に声をかけられたんです。「うちの会社に来るか」って。それが岐路でした。
そんな風だったから、はじめは責任を負うのが嫌でした。正社員になるのも断っていたんです。でも、経営がうまくいっていない中で、それまで取引してくれていたお客様から逃げるわけにもいかないと思って。父の会社をベースに事業継承したのは、やるしかないという感じでした。
常に助けられている意識
それで、もう一度私が会社を立ち上げた時に、父親の繋がっていた人達がみんな助けてくれたんです。仕入れ先もお客様も、社員の皆さんも。父親の時から誠実に取り組んできたから、みんないざという時に助けてくれました。それで今がある。感謝しかありません。
だから、関わっているすべての人を大切にしていきたいなと思っています。
また、品物を発注して届くことも、買ってもらえることも、当たり前じゃないということを経験してきました。そういう経験をしなければなんでも当たり前にしてしまって、不満もどんどん出てきたと思うんです。でも、常に助けられている意識があるので不満はないですね。その点、良い経験になったと思っています。
営業経験があるからこそ
社長になる前は、10年くらい営業をしていました。最初は抵抗があったんですけど、営業を実際にやってみたら自分に合っていました。提案したことを採用してもらったり、急な注文に対応してお客様に喜んでもらう、そんな時にじんわり嬉しくなります。
一方で営業には、仕入れ先やお客様、外注、色々なところに気を遣わないといけない苦労もあります。そういう営業の大変さを経験した上で社長になれたのは、とても良かったですね。なぜなら営業は、気配りを通じ、社内全ての部署、仕入れ先、お客様、外注先の方々の気持ちを知れるからです。社長になってからもその知見は生かされています。特に社員の皆さんの仕事における嬉しさ、つらさを知った上で接すると、喜んでもらい、モチベーションを上げてもらえる時があります。
働いてよかったと言われる会社に
社員の皆さんは、これだけ選択肢がある中でうちの会社に勤めてくれている。やめずにいてくれている。そして、お客様対応を大切にしています。注文いただいた商品を最短で納品するなど、お客様に喜んでもらうためにはどうしたらいいのかを考えながら、みんな仕事を頑張っています。
私は人がすべてだと思っているので、ありがたいです。
社員に、10年後20年後を振り返った時、ユニマート信越で働いてよかったと言ってもらえる。そんな会社にしていきたいです。
今後の展望と共存共栄
人との縁は、思いもよらぬところに繋がっていきます。例えば、仕入れ先との関係で、農業法人と繋がることができました。今後は、農家の人たちにヒアリングをして、オリジナルのユニフォームを作れたらいいなと思っています。ご縁があれば、服に留まらない展開もしていきたいですね。
あとは、地域貢献です。先日地域の中学校に、つなぎを無償で提供しました。そういうことを少しずつしていきたいなぁと。
創業12年ほどなのでまだまだ若い会社ですが、繋がっている人達との共存共栄を続けていくことも、地域の発展に繋がっていくと思っています。そういう点でも、人と人との繋がりを大切にしていきたいです。
不満を持たないのは、常に助けられている意識があるから。
人や地域とのご縁を大切に、共存共栄していきたい。