ライフスタイルに合わせた提案を
弊社は人材紹介会社で、仕事を探している方達に向けて仕事を紹介しています。その日だけの単発の仕事が多いので、スケジュール調整がしやすいと思います。ですから副業として働きたい方やダブルワークしたい方に多く登録いただいております。いろいろな職種を紹介できますが、得意としている職種は販売系の仕事ですね。販売系でも特化しているのが、スーパーでの試食販売や試飲販売、推奨販売で、これらがメインになります。他には、品出しや陳列、アパレルの販売もあります。
また紹介する年齢層は若い方だと学生から、上の人は70〜80代という方もいます。特別なスキルを必要としないので、お客様と話すのが好きだったり、黙々と仕事をするのが好きだったり、家事が好きという方達に向けて、一人一人の特徴や性格を考慮しつつ、「こういった仕事はどうですか?」と紹介しています。
ニッチな業界
先代社長である父親がニッチな業界ではあるけれど、勝機があるのではという考えで会社を立ち上げ、お店への人材紹介に参入しました。試食販売や試飲販売って昭和59年頃は、全然普及していなかったんですよ。周りがやっていないことに挑戦してみる。ダメだったらすぐやめればいいし、成功すればきっと大きくなるだろうなというギャンブル要素が強かったですね(笑)。その先代の血を自分も受け継いでいるなと感じています。
新事業の立ち上げ
2020年9月からは家事代行サービス「Youseful(ユースフル)」を始めました。一般のご家庭に家事代行のスタッフを紹介するというサービスです。実は、家事代行って長野県に全然普及していないんですよ。そもそもなんで家事代行サービスをやろうと思ったのかと言うと、まだ長野県で普及していない家事代行サービスには潜在的ニーズがあって、これからそういうニーズが広がってきて、この事業が活性化するんじゃないかと思って、家事代行サービスに参入をしようと決めたんです。
コロナの影響で試食販売などの仕事が激減しました。職を失った人が県内で仕事を探そうと思っても受け皿があまりないんですよね。じゃあ、農業を新たにやるかって言ったらできないだろうし、一つの場所に身を置いて仕事をしていた人が何か新しい仕事をするって難しいと思うんですよ。でも我々が、なんとかここまで頑張ってくれた功績のあるメンバーたちに対して、何か仕事を作り出さなければという使命感がありました。メンバーの方は主婦経験が長い方が多くいました。主婦のスキルと言えば家事。それならば家事を仕事にすればいいのではと考え、家事代行っていうのをやってみようかなと。
父の背中を見て
私が小さい時から父親が会社を経営していたので、その頃から自分は父の後を継いで社長になるんだと思っていました。そして中学、高校、大学に進学するにつれてその気持ちが薄れていき、高校大学の頃には父親の会社は継がず、自分の生きる道を歩みたいと思っていました。中学高校の時には、漠然とサッカー選手になりたいと思っていましたね。
大学卒業後は5年ほど営業の仕事をしていました。その仕事に慣れてきた時に突然父親から電話があり、会社を継ぐのはどうかという相談がきました。まさか父親からそんな話をされるとは思ってもみなかったので驚きましたね。最初は話だけ聞こうかなと思って、父親の会社を見に行ったんですよね。その時の社員の雰囲気や会社にいる時の父親の姿を見て、心が揺らいだんです。そこから父親と色々話しをして、最後の親孝行だと思って会社を継ごうと決めました。
想いの葛藤
入社当初は、今まで先代が手塩にかけてきた社員との間で苦労がありました。私は大きな組織の中で働いていたので、改善するべきポイントがみえてきました。入社したばかりの新参者がストレートに伝えていいものなのかと葛藤はありましたが、物事をはっきりとしたい性格なので、すばっと提案しました。
自分の想いと今までいた社員の想いの不一致があって、案の定、衝突しましたね。数人の社員は辞めていきました。辞めていった人がいたことが辛かったし、自分の想いと今まで長くこの会社を支えてくれてた人との考えの不一致は非常に辛かったです。しかし、父は自分の考え方に口を出さず、尊重してくれました。
道標としての役割
事業としては仕事を紹介しているので、ある意味でその人の生活や人生を背負っているという想いでやっています。仕事を探している人で、「自分は何に向いているか」「どんな仕事で自分の力を発揮できるか」って分かっているようで分かっていない人って多いと思うんです。
私たちの強みは、いろいろな特徴的な仕事があることです。販売系で自分をアピールしながら仕事ができる職だったり、黙々と作業をするようなコミュニケーションを取らなくても完結できる仕事だったり、世話が好きで人のためにやってあげたいと思う仕事があります。いろいろスタッフとの面談を通して、この人はこういう仕事だったら、自分の力を発揮できるんじゃないかと考えながら、仕事を紹介します。大袈裟かもしれないけど、その人の生きる道を紹介できることにやりがいを感じています。
スタッフのスキルを活かし、潜在的なニーズを掘り起こす。長野県の家事代行サービス市場を牽引したい