渡辺 洋平

and juice 株式会社
渡辺 洋平
YOHEIWATANABE

お客様やスタッフに、見返りを求めず与え続ける。責任感と誠意で、よりよいTシャツづくりに邁進する社長。

and juice 渡辺洋平社長「ゼロベースから始めたTシャツづくりで、日本のトップクラスを目指す。スタッフが自慢できる環境を作っていきたい」【松本市】

お客様やスタッフに、見返りを求めず与え続ける。責任感と誠意で、よりよいTシャツづくりに邁進するand juiceの渡辺洋平社長に、プリント技術を懸命に身につけた経緯や、「与え続ける」という理念の理由について伺ってきました。

インタビュアー
小古井 遥香

会社とは、スタッフやお客様の想いを形にする道具
信頼に応えられるよう、少しずつ設備を整えてきた

目次

ゼロベースから全国へ

and juice 株式会社は、Tシャツをはじめとするグッズの制作を行っています。「ジュース」という社名は、「色も味も豊富にあって、ポップな雰囲気があるところがこの会社らしい」と、設立当時に手伝ってくれた後輩が提案してくれました。社名を決め、看板を出して、注文を受けるために必要な仕組みや、Tシャツ制作のために必要なミシンや印刷機、インクなどの設備を少しずつ整えていきました。私はデザインや印刷の技術をはじめから持っていたわけではありません。会社設立は2010年ほどですが、設立の具体的な日付が分からないほど、必死になって取り組んできました。今では、誰もが知る観光スポットやアーティストのグッズ制作も担うようになってきました。お客様の信頼や期待に応えられるよう、懸命に挑戦を続けたことが、新たなご縁に繋がっていると感じています。

デザイン業界への転身

会社を設立する前は、建築業界で働いていました。自分の着たいと思うものを作ることへの憧れから、デザインに興味を持っていました。趣味で友達のデザインや会社のロゴなどを作っていました。デザインを専門的に学んだ経験はありませんが、Tシャツに特化することで、他の人にも負けない仕事ができるのではないかと考えました。

Tシャツの印刷を担うようになったのは、よりよいデザインを作るために、全国にあるTシャツのプリント業者を見学したことがきっかけです。プリント業者にはそれぞれ得意とするインクがあり、当時はデザインによって異なる業者に印刷をお願いしていました。特殊なデザインの場合、印刷の発注が難しい場合もあり、印刷も自分でできればよりスムーズなTシャツ制作ができると思い、印刷用の機械を購入しました。今思うと、無謀ともいえる挑戦でした。

無我夢中で技術を身につけ、設備を整えてきた

見学時は簡単そうに見えた印刷も、実際に自分でやってみると、綺麗に印刷をすることがとても難しいのだと気がつきました。上手く印刷ができなければ、商品にできません。日中は他の仕事をしながら、夜間に寝ずに印刷の練習をしていました。仕事で得た収入は、パソコンやプリンターなど、印刷のための設備を購入するために使いました。早く上手な印刷ができるようになろうと夢中で練習を重ねました。当時は私がデザインしたものを外注先に印刷してもらっていたのですが、印刷が上達するにつれ、身近なお客様から、私のところで印刷して欲しいと注文いただくようになりました。一生懸命、良いものを作り提供することで、気に入ってくれたお客様が新しいお客様を紹介してくれるようになりました。期待を裏切らないという思いで、他社では受託しないような印刷も損得関係なくやりました。消防車のホースに印刷を施したのはその一例です。
一生懸命期待に応えることで信頼が生まれることを知り、私はお客様やスタッフに「与え続ける」ことを理念に置くようになりました。単純に見返りを求めるのではなく、お客様にとってよりよいTシャツを作り続ければ、新たな仕事のご縁をいただけます。共に働くスタッフにもよりよい環境を整え続けることで、一緒に頑張ってくれることに繋がると感じています。

「一人にとっての一枚」を作って、信頼に応えていく

印刷をするにあたって、スタッフに「Tシャツ1枚1枚に手を抜かない」ということを声掛けしてきました。シャツを制作している時は何千枚の中の1枚でも、いずれお客様1人にとっての大切な1枚になります。儲けようという気持ちより、信頼に応えようという責任感を持つことが大切だと考えています。

弊社のプリント工場はガラス張りになっていて、外から制作の様子が見えるようになっています。技術を盗まれたくないプリント業界の中では、ガラス張りにするのは珍しいことです。印刷技術は一見簡単に見えても習得に時間がかかります。私にとっては、練習を積めば誰でもできるものという認識があったので、外から見える仕様にしました。仕事の様子が分かりやすいので信頼がおけるという声をお客様からいただくこともあります。

道具としての会社をどう良くしていくか

制作物のクオリティを上げ、全国的に有名なグッズの制作依頼もいただくようになったことは、懸命に取り組んできたことの目に見える成果です。スタッフにとっても、士気が上がることだと思います。働く環境については、休日の希望が通りやすく、特に主婦のスタッフが多いため、女性同士で、得意不得意に合わせて仕事をカバーする雰囲気があります。スタッフ同士で仕事を調整できるような、自由な社風で、私もスタッフの得意なことを伸ばしつつ、スタッフが新たな作業に挑戦する際にはしっかり話しを聞き向き合うことで、困難を乗り越える後押しができるように意識しています。

会社というものは、ひとつの道具に過ぎないと思っています。会社を良くするのも、道具である会社が扱いやすければ、スタッフや自分自身のためになって、事業を通じた想いを実現しやすくなります。お客様にとっても、どういう組織でやっているかということより、受託する人に信頼が置けるかどうかということや、仕上がりのクオリティのほうが重要だと思います。

松本から日本のトップクラスに

コロナ渦では、イベント需要が激減し、Tシャツの注文もかなり減っていたため、マスクを制作したほか、設備投資に重点を置き、注文が減った中でもできることに取り組んできました。コロナ渦から一転し、イベントの需要が増えた今は、これまでにないほど注文をいただいており、お断りするケースも出てしまっています。お客様の依頼に応えられないことは、スタッフもとても残念がっていました。敷地を拡大したり、スタッフを拡充したりして、期待に応えられるよう尽力しています。
お客様もスタッフも大切にするためには、設備や環境への投資が欠かせません。弊社だからこそ印刷してほしいと注文をくださるお客様の信頼に応えるためにも、より多くの仕事を請け負えるような設備投資が必要です。商品のクオリティを高めてきた今、設備に投資することで、日本のトップクラスの印刷会社を目指すことは十分可能だと感じています。今後の展望としては、工場を拡大して、より多くのお客様に感謝してもらい、松本から日本のトップクラスの印刷会社を目指していきたいと思っています。

渡辺 洋平
渡辺 洋平
YOHEIWATANABE
1976年長野県生まれ。東海大学第三高等学校卒業。卒業後、建築業に従事。2010年にプリントショップ・ジュース(現 and juice 株式会社)を設立。代表取締役社長に就任。
and juice 株式会社

住所:〒390-0843

長野県松本市高宮南7−34

 

TEL:0263-50-4331

 

FAX:0263-50-4332

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本記事のインタビュアー

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