柳澤 由英

長野テクトロン 株式会社
柳澤 由英
YOSHIHIDEYANAGISAWA

一人ではなく、みんなで話し合って決定していきたい。新しいことにチャレンジしつづける社長。

長野テクトロン 柳澤由英社長「例がないからやってみよう。やらないと何も起こらないから」【長野市】

新しいことにチャレンジし続ける長野テクトロンの柳澤由英社長に、協調性を重んじてみんなで決定することを大切にし、さまざまな分野で製品やサービスを提供していきたいという想いについてお話を伺ってきました。

インタビュアー
酒井 瞳

協調性を重んじてみんなで決定していくことを大切にしていき、さまざまな分野で製品やサービスを提供していきたい。

目次

例がないからやってみよう

弊社の行動理念に「例がないからやってみよう。やらないと何も起こらないから」という言葉があります。この言葉は、父がノートに残したものであり、私の座右の銘でもあります。私が父から会社を引き継ぐまで、会社には具体的な理念が存在せず、自分の時代には明確な指針を設定すべきだと感じました。その際、父のノートを見て印象に残ったのがこの言葉でした。

この言葉の通り、私はチャレンジ精神を非常に大切にしています。チャレンジをすることで、さまざまな結果が生まれる可能性があり、当然ながら失敗もあるでしょう。しかし、チャレンジを続けることで新たなアイデアや展望が明らかになり、前進できるのです。この精神を大切にし続け、新しいものを創り出すことに貢献したいと考えています。

「ホテぐる」

私は幼い頃からチャレンジ精神を持っており、他とは異なることを追求し、独自の道を進むことを好んでいました。そのため、さまざまな挑戦に取り組んできました。例えば、弊社はキーボードやメンブレンスイッチ(薄型で軽量で高機能なスイッチ)などの入力装置の製造を行っていますが、これらの装置は販売が一度きりになってしまうことが多かったです。そこで、十数年前に父と協議し、これらの装置を使用して新たなシステムサービスを提供するアイデアが浮かびました。

実際に装置を開発し、それをホテルに導入して情報端末として使用し、ホテル周辺の飲食店を案内する装置として普及させることを目指しました。これは、弊社の製品が従来は工業界向けであったため、ホテル業界での新たな試みでした。この新しいサービスを提供し始めてから、幸運にも今では約300箇所で利用されており、全国的に広がっている「ホテぐる」という名前のサービスとして成長しています。このサービスを立ち上げたことは、私にとって大きな挑戦の一つであり、非常に充実感を感じています。

社長を意識するように…

私は幼少期から父から社長になることを叩き込まれていました。小学生の頃、毎週日曜日の午後に父と一緒に会社に行き、会社の中を見学することがありました。そこで父から、会社で何が行われているのか、将来の会社の方向性などについて話を聞かされ、自分が将来会社を継ぎ社長になることを意識し始めました。会社で過ごした後、私たちはしばしば本屋に寄り、本を買ってもらうことがありました。この経験は非常に楽しいもので、毎週日曜日を楽しみにしていました。

協調性により意見交換が活発に

私の父は、社員たちをリーダーシップで引っ張っていくタイプの経営者でしたが、私は協調性を重視し、社員と共に決定を下すことを大切にしています。父のように一人で全てを決めることが難しいと感じ、社員との協力による意思決定の方が楽しいと思っています。そのため、できる限り多くの人の意見を取り入れながら物事を決断するようにしています。このアプローチのおかげで、多くの異なる視点を聞くことができ、社内でのアイデア交換が盛んに行われていると感じています。

現在、社内では目標管理制度を導入し、各社員が個人の目標を設定し、経営指針や行動理念に向かって取り組んでいます。社員たちは自発的に目標を考えており、仕事がスムーズに進行していることを実感しています。このような協力と自己管理の仕組みを通じて、社内の連携が強化され、成果を上げていることに喜びを感じています。

創業者と二代目の違い

私が弊社に入社した当初は、父へのライバル心があり、父を超えて優れた経営者になろうと強く意気込んでいました。しかし、入社してしばらくしてよく考えるようになり、創業者と二代目の役割の違いに気づきました。創業者は何もない状態から会社を創り上げ、それを成長させる役割を果たす一方で、二代目は既存の基盤を活かして発展させる役割があると考えました。

この気づきから、二代目は創業者と競争するのではなく、創業者が築いてくれたものを継承し、それをさらに発展させていくべきだと思うようになりました。また、父は常に学びを求め、情報収集に積極的でした。新しいアイデアやプロジェクトに取り組む際も、否定的ではなく支持してくれました。その姿勢は今でも私たちの企業文化に根付いており、新しいアイデアへの取り組みを奨励しています。

さまざまな領域で

私の夢は、一般の人々が利用できる製品やサービスをたくさん提供することです。これは私たちの会社だけでは実現できないので、他の企業と協力して、皆さんが私たちの製品やサービスに毎日触れる機会を作りたいと思っています。そのために、さまざまな分野に製品を提供することを考えています。これまでは工業製品に重点を置いてきましたが、現在は医療分野やフィットネス業界にも注力しています。今後もさらに多くの分野に進出し、幅広い分野や業界に製品やサービスを提供したいと考えています。

柳澤 由英
柳澤 由英
YOSHIHIDEYANAGISAWA
1977年長野県長野市生まれ。神奈川大学工学部卒業。2002年、新光電気工業株式会社に入社。2005年、長野テクトロン株式会社に入社。2017年、代表取締役社長に就任。
長野テクトロン 株式会社

住所:〒388-8014

長野県長野市篠ノ井塩崎2304-1

TEL:026-292-7220

FAX:026-292-0455

2代目 40代社長 ワークライフバランス重視 全国展開 創業30年以上 北信 売上10億円以上 女性が活躍 社員数30人以上 製造

本記事のインタビュアー

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